【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意


その後、教皇にアナベルの失態が伝えられた。
教皇はすべての予定をキャンセルして、帝国城へとやってきた。
シャルレーヌはその様子をカラスを通じて見つめていた。

彼は大金を注ぎ込んでアナベルを正妃候補として押し上げていたからだ。
それもすべて教会が力を持つため。彼の悲願だったらしい。

その候補が取り消しになるということは、アナベルが正妃に選ばれることはなくなるということだ。
それだけは阻止しようとすぐに動いたのだろう。

『アナベルは彼女のことを放っておけずに治療しようとしただけです……! それを断られて取り乱しただけで、こんなことをするつもりはなかったはずだ』

アナベルから、何をするつもりなのかは伝えられていたのだろう。
ヴィクトールに今までのアナベルの功績やこの魔法がいかに帝国の発展に役だっているかを必死に話しているではないか。
そのようにして乗り切ろうと考えていたが、問題はテネブルを通じてヴィクトールがやり取りをすべて聞いていたということだ。

彼女が嘘をついてシャルレーヌを咎めようとしたこと。 
侍女たちが嘘をついてもそれを正すどころか、そのままにしたこと。
感情に任せて手を上げたことも正妃になるには幼稚すぎると非難した。
それでも教皇は食い下がることはなかった。