二人の言葉を聞いて今度はアナベルの唇が弧を描いていく。
ここに〝シャルレーヌをビンタした〟という証人はいなくなった。
シャルレーヌの侍女や侍従、リリーが証言したところで何の証拠にもならない。
ナリニーユ帝国で信頼を勝ち取っているはシャルレーヌではなく、アナベルの方だからだ。
(この子たちはわたくしの味方なのよ……! つまりこの件は表沙汰にならないということね!)
一気に形成逆転。しかもシャルレーヌの不用意な一言で、だ。
「あなたたちに手を出されそうになって、わたくしが手を出した……確かそうですわよね?」
「え、えぇ……」
「はい、アナベル様のおっしゃる通りですわ」
侍女たちは後ろめたいのか視線を逸らしつつも頷いていた。
「まぁ……こんなに堂々と嘘をつくなんて恐ろしいですわね」
こんな状況でも余裕を崩さないシャルレーヌが不気味に思えた。
「陛下がこのことを知ったらどう思うのでしょうね」
「あははっ、何を勘違いなさってるの? あなたが皇帝陛下に愛される未来なんて絶対にないわ」
「ふふっ、そうでしょうね」
「それなのに報告するつもり? 無駄だと思いますけれど。だってここはナリニーユ帝国ですもの……!」
ここに〝シャルレーヌをビンタした〟という証人はいなくなった。
シャルレーヌの侍女や侍従、リリーが証言したところで何の証拠にもならない。
ナリニーユ帝国で信頼を勝ち取っているはシャルレーヌではなく、アナベルの方だからだ。
(この子たちはわたくしの味方なのよ……! つまりこの件は表沙汰にならないということね!)
一気に形成逆転。しかもシャルレーヌの不用意な一言で、だ。
「あなたたちに手を出されそうになって、わたくしが手を出した……確かそうですわよね?」
「え、えぇ……」
「はい、アナベル様のおっしゃる通りですわ」
侍女たちは後ろめたいのか視線を逸らしつつも頷いていた。
「まぁ……こんなに堂々と嘘をつくなんて恐ろしいですわね」
こんな状況でも余裕を崩さないシャルレーヌが不気味に思えた。
「陛下がこのことを知ったらどう思うのでしょうね」
「あははっ、何を勘違いなさってるの? あなたが皇帝陛下に愛される未来なんて絶対にないわ」
「ふふっ、そうでしょうね」
「それなのに報告するつもり? 無駄だと思いますけれど。だってここはナリニーユ帝国ですもの……!」



