(あんなにつらそうに咳をしていたじゃない。どうして……?)
シャルレーヌは微笑みながらきっぱりと断っているが、その理由がわからない。
普通ならば苦しみを取り除きたいと望むはずなのに。
(わたくしに病を治して欲しいと、貴族たちは大金を注ぎ込むのに……!)
重い症状になるほど、教皇は大金を受け取っていた。
魔法を使えない平民たちは小さな怪我だけを治している。
これは教皇の指示によるものだ。彼らの懐はアナベルによって潤っていた。
なんだかモヤモヤしていたが、何か意見すればこの地位は簡単に崩れ落ちてしまう。
この世界で生まれは大きな枷となることはわかっていた。
「……どうして、でしょうか?」
「わたくしはこのままでよいのです。お気遣いありがとうございます」
「でも、だって……そんなことっ」
もう動揺を隠しきることはできなかった。
死や苦しみはもっとも怖いものではなかったのだろうか。
だからこそアナベルを女神のように縋り、聖女だと崇めているのだ。
(この女……何も怖いものはないというの? いいえ、ただの強がりに決まっているわ!)
すぐに余裕の表情を作り直す。アナベルは慈愛に満ちているのだ。
彼女もすぐに感謝して跪くことになる。
「え、遠慮する必要はありませんわ。ここはわたくしに甘えてください」
「必要ありません」
「ど、どうしてっ!?」
「どうしてと言われましても……」
シャルレーヌは微笑みながらきっぱりと断っているが、その理由がわからない。
普通ならば苦しみを取り除きたいと望むはずなのに。
(わたくしに病を治して欲しいと、貴族たちは大金を注ぎ込むのに……!)
重い症状になるほど、教皇は大金を受け取っていた。
魔法を使えない平民たちは小さな怪我だけを治している。
これは教皇の指示によるものだ。彼らの懐はアナベルによって潤っていた。
なんだかモヤモヤしていたが、何か意見すればこの地位は簡単に崩れ落ちてしまう。
この世界で生まれは大きな枷となることはわかっていた。
「……どうして、でしょうか?」
「わたくしはこのままでよいのです。お気遣いありがとうございます」
「でも、だって……そんなことっ」
もう動揺を隠しきることはできなかった。
死や苦しみはもっとも怖いものではなかったのだろうか。
だからこそアナベルを女神のように縋り、聖女だと崇めているのだ。
(この女……何も怖いものはないというの? いいえ、ただの強がりに決まっているわ!)
すぐに余裕の表情を作り直す。アナベルは慈愛に満ちているのだ。
彼女もすぐに感謝して跪くことになる。
「え、遠慮する必要はありませんわ。ここはわたくしに甘えてください」
「必要ありません」
「ど、どうしてっ!?」
「どうしてと言われましても……」



