【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

だからシャルレーヌが触れるたびに驚いていたのだろう。
人前でテネブルに触れるのは考えた方がいいかもしれないと思いつつ、魔力を感じ取ることができないシャルレーヌには関係ないと思い直す。


「そうだったのですね。人前ではテネブルに触れないように気をつけますわね。勘違いする方がいたら困りますもの」


ブンブンと縦に振り、了承するテネブルはかわいらしい。
伸ばされた触手に頬擦りしつつ、シャルレーヌはテネブルをかわいがっていたがモルガンの顔は青ざめていく。
オノレは観察するように、じっとこちらの様子を伺っていた。


部屋の外にはシャルレーヌを心配したカラスたちが空を飛び、屋根にとまる。もうモルガンを気遣い、姿を隠す気はないようだ。
恨めしそうなモルガンは下唇を噛んでこちらを睨みつけている。
彼を代弁するようにヴィクトールがシャルレーヌに問いかけた。


「魔法ではないのなら、どういう仕組みで従わせている?」

「そうですわねぇ……魔法とは違いますが、サンドラクト王国の文化とでもいいましょうか」

「何……?」

「お父様はワシを従えておりますわ。兄や姉、弟たちも同じです。護衛や諜報、友人のように扱う者もおりますわね」

「……魔法ではないのか?」

「わたくしたちは彼らに助けてもらいながら生きております」