シャルレーヌは手を合わせてから、かわいらしく首を傾げた。
しかし三人から何も反応がない。
「ナリニーユ帝国の男性はノリが悪いですわ。ねぇ、テネブル」
「「「…………」」」
誰も笑ってはいないが、今日はかわいらしいテネブルに会えたため満足していた。
ここまできた価値があるというものだ。
「テネブル、そろそろ戻った方がいいのではなくて?」
シャルレーヌの一言でテネブルはヴィクトールの影へと入っていく。
ひらひらと手のひらを横に振ると触手が真似をするように同じ動きをした。
「そろそろわたくしは部屋に戻らせていただきますわ」
シャルレーヌがそう告げると、引き止めるように腕を掴むヴィクトールの手。
(昨日の素直でかわいらしい陛下はどこに行かれたのかしら)
その表情は険しく、理由を言うまで逃がさないと言わんばかりだ。
「あら、部屋まで送ってくださるのですか? 今日も大胆ですわね」
「……誤魔化すな」
「はぁ……いつまでここで立ち話をさせるおつもりですの? それともわたくしとはここで話すのが当然だとおっしゃりたいのかしら」
肌寒さに腕を擦るシャルレーヌを見てここが人気のない外でシャルレーヌの体調のことを思い出したのだろう。
それに今は皆が寝静まった真夜中だ。
話をするにしてもシャルレーヌはここで話し続けるのはごめんだった。
「わたくし、これ以上ここにいたら倒れてしまいそうですわ」
それは昼間だけの話ではあるが、彼らには病弱だと思われているためちょうどいいだろう。



