【完結】魔力0の訳あり王女、最狂につき取り扱い注意

シャルレーヌの言葉の意味を珍しく理解したのだろう。
モルガンが口ごもる。


「この子たちも感情のコントロールができないお子さまに付き従うのは本意ではなかった。それに彼らにも意思がある、そうでしょう?」

「それは、そうだけど……っ」


シャルレーヌがカラスの艶やかな美しい嘴を撫でた。
すると満足そうに真っ黒な羽根を広げて飛んでいった。
悔しそうに擦り寄ってくるシャルレーヌのストロベリーピンクの瞳が暗がりの中で細まり怪しく光る。
真っ赤なルージュが弧を描いていた。


「わたくしのほうが彼らの主人として相応しいと判断された……それだけのことですわ」

「……!」

「使役するためには魔力を対価とする。より強いものに従う。つまり、あなたの実力不足では? それにこの子たちは頭がいい……誰につけばいいかすぐにわかりますわ」

「だったら、どうすればいいんだ」

「陛下やオノレ様のように魅力的な男性になることですわ。このままでは皆さまに見捨てられてしまいますわよ?」

「……そんな」


シャルレーヌが魔法について話していることが意外なのだろうか。


「なぜそんな話ができる?」

「わたくしだって少しはナリニーユ帝国について学びましたから」


シャルレーヌの含みのある言い方にヴィクトールは苛立っている。


「それに女は秘密があったほうが魅力的だと、お父様も言っておりましたわ」