王子は姫を愛して止まない

とぼとぼと喫茶店の前を通りながら帰る。
あの声…大好きな人の大好きな声でまた名前を呼んで欲しいなぁ。

そんな時…ー

「…そうですか…」

「…えっ?」

私はバッと振り返ったけれどそこには誰も居ない。
でも確かに実風くんの声がしたような…。

回りを見回すと、私はやっと見つけた。

店内に見つけた背中は間違いなく実風くんのもので、窓から差し込む夕陽に黄金色の髪が包まれていた。

窓越しにパッと駆け寄って何故か声をかけそうになると…ピタリと止まった。声が出なくなった。