王子は姫を愛して止まない

私の緊張に気が付いたのか、少し慌てたように穂山先輩は顔の前で手を振った。

「そんなにかしこまらないで。こっちこそいつも弟がお世話になっちゃってるし。それに俺としては大切な彼女の親友って感じだからさ」

大切な彼女、と言われた雛ちゃんは少し照れた様子で「ばか…」とこぼしている。

優しい人のようだ。
穂山先輩は柔らかく笑顔を浮かべて自己紹介をした。

「雛ちゃんから聞いてるかとは思うけど…3年の穂山寛風です。どうぞよろしく」

…こ、このひと…すごいコミュニケーション能力ありそう…。

「あ、よろしくお願いします」

私がそう言うと実風くんはぶっきらぼうに言いきった。