王子は姫を愛して止まない

「う、うん…」

いや、一応確認しないと行くかも分かんないんだけどね…。

雛ちゃんが教室を走って出ていくと、教室はしんと静まり返った。

私たち2人しかいなかったんだな…。

私のとなりの席にはカバンが置いてあるから、きっと実風くんはまだいるんだと思うけど…。

暖かくて柔らかい日差しがカーテンの隙間からのびて、柔く机を照らした。

まるであの時とは違う面持ちで、私はなんとなく実風くんの席に座る。

あの時は苦しくてたまらなかった。
今から一緒に歩く実風くんの頭のなかは違う女の子でいっぱいなんだろうなって、気持ちを伝える勇気がどんどんしぼんでいくような気がした。