君の指輪と海のカフェ

翌日、三時に現れた美波は、どこか落ち着かない様子だった。

湊がいつものラテを差し出すと、彼女は突然、湊の手をぎゅっと握った。

「昨日、夢を見たんです。知らない誰かと、この海辺を歩いている夢。その人はとても優しくて、今の店主さんのような声をしていました」

美波の目から涙がこぼれる。湊は胸が締め付けられるのを堪え、彼女の震える手を包み込んだ。

「…もしその人が、君に忘れられても幸せだと言ったら、どうしますか?」

「そんなの悲しすぎます。私は、その人に『愛してる』って伝えたいのに」