君の指輪と海のカフェ

二人が再び結ばれてから一年。海辺の小さな教会で、二人は二度目の、そして本当の意味での結婚式を挙げた。

参列者はごく親しい友人たちだけ。

海風が吹き抜ける中、湊は少し緊張した面持ちで、美波の左手に「本物の指輪」を通した。

一年前、記憶を失っていた彼女の指になぞった、あの「見えない指輪」が形を成した瞬間。

誓いの言葉を述べる際、湊はあえて台本にはない言葉を口にした。

「たとえ明日、また世界が真っ白になったとしても。僕は何度でも、あのカフェの窓際で君を待ちます。何度でも、一から君に恋をします。それが僕の、一生をかけた仕事ですから」