One year left -家族ごっこ-

「だからって、夕紗たちに誤解与えないでよ」


「事実だろ?」


「そんなわけないでしょ。明日、三人になんて説明すればいいの……」


「俺にしたこと、そのまま言ったら?」


「言えるわけないでしょ!」


バシッと背中を叩く。


碧くんが、ハハッと可笑しそうに笑った。


初めて聞いた声だった。


彼がまた私をからかっている。


今度は夕紗たちまで巻き込んで、なんてタチが悪いんだろう。


「全然、笑えないから……」


愕然としていると、急に自転車が止まった。


「……だったら、秘密にすればいいだけだろ?」


碧くんが振り向いて、「降りて」と言った。


なんだか、とても優しい顔に見えた。