「今日、結構暑いね」
「もう汗かいた」
「あ、でも橋の下は涼しいよ」
いつもの橋の下に着いて、自転車を停めた。
夕紗がスマホを取り出すと、適当に好きな曲を流し始める。
私たちはそれに合わせて、各自自由にウォームアップをした。
曲に合わせて身体を動かすと、枷が外れたようにどんどん心が軽くなっていって、そして、お父さんを思い出すんだ。
「んじゃ、本番いくよー」
夕紗の声に、はっとする。
だけど曲が始まった瞬間、私の意識はそこでぶつりと切れた。
まるで現実世界から抜け出して、違う自分が目を覚ますような感覚。
もう誰もいない。
なにも見えない。
自分以外が存在しない空間で、歌詞だけがまるでドラマのように再生されている。
私は主人公のごとく、指の先から足のつま先まで、全身を使ってそれを表現するんだ。
この流れる髪の毛一本一本にさえも神経が通っているみたいにリズムを感じとっていた。
「もう汗かいた」
「あ、でも橋の下は涼しいよ」
いつもの橋の下に着いて、自転車を停めた。
夕紗がスマホを取り出すと、適当に好きな曲を流し始める。
私たちはそれに合わせて、各自自由にウォームアップをした。
曲に合わせて身体を動かすと、枷が外れたようにどんどん心が軽くなっていって、そして、お父さんを思い出すんだ。
「んじゃ、本番いくよー」
夕紗の声に、はっとする。
だけど曲が始まった瞬間、私の意識はそこでぶつりと切れた。
まるで現実世界から抜け出して、違う自分が目を覚ますような感覚。
もう誰もいない。
なにも見えない。
自分以外が存在しない空間で、歌詞だけがまるでドラマのように再生されている。
私は主人公のごとく、指の先から足のつま先まで、全身を使ってそれを表現するんだ。
この流れる髪の毛一本一本にさえも神経が通っているみたいにリズムを感じとっていた。
