One year left -家族ごっこ-

数秒の沈黙のあと、「はぁ」と碧くんがため息をついて、「言わないから、安心しなよ」と私から離れた。


「さっきも言ったけど、二人の話だろ。俺はどっちでもいいからな」


本当にどうでもよさそうに言う。


それならわざわざ試すような言い方をしないでほしかった。


醜態をさらした私は顔を上げられず、ポタポタと床に落ちる涙を見ていた。


ほっとした気持ちと、泣いた情けなさと、碧くんへの怒りがないまぜになって、言葉が出てこない。


「俺は先に戻るけど、あんたもあとで戻ってきなよ。自分の部屋をもう少し見たいとでも言っといてやるからさ」


碧くんのせいでこうなったのに、自分には関係ないと言わんばかりに置いていく。


やっぱり彼は冷たい人だ。