One year left -家族ごっこ-

「……そろそろ戻ろっか」


二人がちゃんと同居を決めたのか気になって、ドアノブに手をかける。


その手を碧くんの大きな手に掴まれた。


「どうしたの?」


驚いて見上げると、至近距離で彼の透き通るような薄茶色の瞳と目が合った。


「――――俺がさ、」


その瞳の色は、遠い昔に食べた、ベッコウ飴の色に似ている。


まだお父さんが生きていて、三人で夏祭りに行ったときの……


「俺が、同居したくないって言ったら、どうする?」


碧くんが真面目な顔で言った。