One year left -家族ごっこ-

「あー!蓮己だ」


また女の人が数人寄ってくる。


「デート中?」


「年下?」


「新しい彼女?」


蓮己さんが質問責めされている。


私はその後ろに隠れて、ずっと手元のキティちゃんを眺めながら待っていた。


店内に明るい笑い声が響く。


しばらくして、女の人たちが立ち去ったあと、「ごめん、元クラスメイト」と蓮己さんが言った。


「それで、欲しい景品は決まった?」


次々とクレーンゲームを見ながら歩いていく彼の後ろ姿を見つめる。


私がいなければ消えてしまいそうだなんて、ただの私の思い上がりだったみたいだ。


蓮己さんには、きっとお友達がたくさんいる。


立ち止まったままの私に気がついて、彼は足を止めた。


「どうしたの?」


蓮己さんが戻ってくる。


「つまんない?」


私は小さく首を振った。


「実は今日、蓮己さんが元気ないのが気になって会ったんです。だけど、何もしてあげられなくて、ごめんなさい」