One year left -家族ごっこ-

ゲームセンターの中には、所狭しとクレーンゲームの機械が並んでいた。


可愛いぬいぐるみもたくさんある。


「何がほしい?」


「いらないです」


「いらない、は悲しいな」


「そうじゃなくて、蓮己さんが欲しいものを取ってください」


「それじゃつまらないでしょ。萩花に取ってあげたいから」


「じゃあ、私が取ってあげます」


「俺に取らせてよ。今日、会ってくれたお礼に」


蓮己さんにお金を使わせてばかりで申し訳なくなる。


寝る時間も自由な時間も削ってバイトしたお金なのに……


だけど、そんな心配をよそに、プロなんじゃないかって思うくらい、蓮己さんはすぐに景品を取った。


大きなキティちゃんのぬいぐるみ。


私はぬいぐるみを持ってない。


想像以上に嬉しくて、抱きしめた。


「ありがとうございます。大切にします」


「大袈裟だなぁ」


「他に欲しいもの、ない?」


蓮己さんは得意げだ。