One year left -家族ごっこ-

「蓮己さんって、モテそうですね」


「どうしたの、急に」


「あんなに美人な人と付き合ってたなんて、すごいです」


「全然だって。付き合ってたって言っても短期間だし」


蓮己さんは、「もうこの話はやめよ」とメニュー表をめくった。


「ほら、どれにする?」


決められずに迷っていると、彼がジェノベーゼとカルボナーラをおすすめしてくれた。


どっちも本当に美味しくて、連れてきてもらっただけでも嬉しいのに、いつの間にかお会計まで済ませてくれていた。


お金を渡そうとしても断られてしまうし、「次はどこに行きたい?」と聞かれて、困惑する。


今日は、蓮己さんを元気づけるつもりで会ったのに、逆に私がもてなされている。


「……蓮己さんは、どこに行きたいですか?」


「じゃあ、ゲーセンでも行こっか」


「行きたいです」なんて言いながら、ほとんど行ったことがなくて不安になった。


ゲームをして一緒に遊んだら、蓮己さんは楽しんでくれるだろうか。