One year left -家族ごっこ-

いつも静かに勉強している彼のイメージと違って、今日はすごくフレンドリーな感じがした。


「ほら、やっぱり。蓮己じゃん」


急に後ろから声がする。


振り返ると、綺麗なお姉さんが二人立っていた。


目が合って、「彼女?」と聞かれる。


「いえ……」


「いいから、早く行って」


蓮己さんは不機嫌そうな声で言った。


「何キレてんの。まぁ、いいや。バイバイ」


手を振られて、会釈する。


二人が奥の席に消えていくと、蓮己さんがため息をついた。


「お友達のかたですか?」


「ううん」


「すごく綺麗な人たちでしたね」


「全然。ガサツだし」


ずいぶん親しげな気がして、感づく。


「もしかして、元カノさん?」


「……右のほうがね」


蓮己さんは諦めたように言った。


あんなお姉さんと付き合ってたんだ……


蓮己さんってすごいなぁ。


「どうして黙るの?」と、蓮己さんが困った顔をする。