One year left -家族ごっこ-

「俺の弱点を探してるのか?」


「そうだよ。教えて」


「ない」


「一つくらい、あるでしょ」


「ないな」


「……ケチ」


なんとなく、碧くんの背中に頬をつけて寄りかかった。


温かい、体温を感じる。


「その人ね、疲れたからバイト辞めたいって、私に言ったの……」


「母親の店なら、簡単に辞められないのかもな」


「可哀想だなって思った」


「やっとバイトから解放された人間が、他人のバイトの心配してどうする」


「でも、なんだか私と似てるような気がして……」


「だったら辞めるよう説得したらいいんじゃない?バイト先なんて他にいくらでもあるんだし」


「今週の日曜日に会うことになったの。その時に伝えてみるね」