One year left -家族ごっこ-

「私に話していいんですか?もし私がバラしたらとか……考えないんですか?」


動揺する私を見て、彼は穏やかな顔をした。


「言わないでしょ、萩花は」


そして、ゆっくり、私の肩に頭を乗せた。


「俺、疲れたんだよね……」


驚いて、硬直する。


「寝る時間も少ないし、自由な時間も少ないし」


蓮己さんが自分と重なる。


彼もお母さんのために働いているんだろうか。


「一応留年したけど、別に辞めてもいいかなっても思ってた」


「でも、高校は卒業したほうがいいんじゃ……」

  
蓮己さんは気だるげに頭を持ち上げると「うん。今は萩花がいるから、毎日学校に来てるよ」と消えそうな声で言った。


もし私がいなくなったら、本当に消えてしまいそうな危うさがあった。