One year left -家族ごっこ-

蓮己さんが瞼を伏せると、長いまつ毛に影ができる。


「寂しいな」


彼が呟いた。


つられて、私も……と言おうとしたけどやめた。


「クラスも同じだし、寂しくないですよ」


しんみりしないように明るく振る舞う。


だけど蓮己さんも私と同じで、まだ新しいクラスに馴染めていないような気がした。


「俺、この時間が好きだったんだけどな」


蓮己さんが私を見つめる。


彼といる時はいつも静かな時間が流れていた。


「私も蓮己さんといると居心地がいいです」


蓮己さんとは課題を一緒にするだけの仲で、特に何かの話題で盛り上がったり、お互いの話をすることもなかった。