星を拾う指先が、温かくなるまで

 翌日。僕は少女が気になり、昨日訪れた住まいに風を吹かせた。

 窓の隙間からカーテンを揺らし忍び混むと、彼女はまた、不器用な手つきで新しい籠を編んでいた。

 昨日までの絶望を編み込むように、一筋、また一筋と。
 所々が崩れはみ出し、お世辞にも上手とは言えない代物。

 少女はそれを持ち、出掛けた先は少し離れた小さな家だった。
 ドアを「コンコン」と叩くと、顔を覗かせたのは、表情に疲れが見える年配の女性だった。

 ドアを開け少女を招き入れると、僕も外吹く風と共に家の中に入っていく。
 少女が籠を手渡し食卓に着くと、女性はパンと暖かなスープを差し出している。

 少女は相変わらず表情を変えることなく、ただ黙々と食べている。

 その間女性は少女から手渡された籠に、パンと瓶に入った飲み物、それに乾燥したベーコンを詰めていた。
 食卓にその籠を置いて会話をしていたが、風の僕には言葉が届かない。

 少女が口を開くと、女性は驚いた表情になり、顔を逸らすと、前に垂らす前掛けでを持ち上げ、顔を隠すように涙を拭いていた。

 会話が聞こえないはずの僕には何故か、静まる空間に暖炉の火が「パチパチ」と、燻る音が聞こえたように思えた。

 少女は気まずそうな表情で食べ終えると、そっと頭を下げ籠を掴む。