星を拾う指先が、温かくなるまで

「置いていかれて、良かったんだよ」

 届かない声で、僕は必死に囁き続ける。

 少女の肩に乗る綿雪の小さな後ろ姿。
 骸骨は離れゆく幽霊船の上で、指先に残った少女の衣服の汚れを見つめ、沈黙を浮かべていた。

 僕は他の風に揺られながらも、少女の元に寄り添いついて行く。
 少女の家に戻ると、庭には枯れ果てた黒い薔薇が山をなしていた。

 少女が差し出した「命の欠片」と引き換えに受け取ってきた、拒絶の証。
 カサリ、と新しい一輪がその山に重なる。

 それはまるで、少女が削り出した命の欠片を積み上げているようだった。

 少女は家に入ると、ベッドに蹲るようにして、涙を流す。
 僕には届かない鳴き声が、こんなにも苦しく感じるとは、思ってもみなかった。