ロックフェスから始まった恋(前編)

昴side


部屋にはギター、ベース、電子ドラム...

そして俺らのポスターやCD、ライヴDVDがあった。

俺らもデビューして間も無いのに全部揃っていた。


「これ...」

「だから入られたくなかったんです」

「誰ギャなん?」

「そこ?(笑)」


俺のTシャツに俺のタオル。

きっと俺のファンやけど俺はつい意地悪をしたくなり、聞いた。


「なぁ」


俺はどんどん近付く。

壁に天音の背中がトンと着いた。


「近い...」


天音は手で顔を隠す。


「す、昴...さん、、」

「よろしい」


俺はきっと満足気な顔をしていた。


「なんでインストとか来んの?」

「ライヴは行ってますよ、かかさず。インストは...あたしも音楽やってるので、ファンの一員としてじゃなく、アーティストとして認知されたかったから...テレビやSNSで話題になった時、 " あの子俺のファンや " って思われたくなかったからです」


プロ意識高いな...。

ますます気に入った。


「チェキホルダー見せてや」

「はい」


チェキはランダムとは言え、俺のが少なすぎる。


「久遠ばっかりやん」

「ランダムですから(笑)」

「携帯貸して」


俺は天音から携帯を取って自撮りした。


「すっぴんやけどええや」


俺は何枚も撮った。


「これで俺の写真が一番多いな」

「独占欲強(笑)」

「消すなよ。ポスターにもサイン書いたろか(笑)」

「それはダメです。このポスターはファンのみんな平等でなきゃ」


なんていい子なんや...。