ロックフェスから始まった恋(前編)

昨日、夜遅くまでかかって作ったのはクッキーと生チョコ。

可愛くラッピングして、昴の教室へと向かう。


「昴ー、これ」

「あー、ありがとう」

「私からも」


昴の周りには沢山の人が居た。


「あーまねっ」


背後からあたしの肩に顎を置く久遠さん。


「バレンタイン?」


あたしは頷く。


「昴ー」


久遠さんが呼んでくれた。

昴は子犬のように走ってきた。


「これ...」


渡す。


「え!まじ!?食べていい!?」


昴は嬉しそうに開けた。


「あっ」

「.......うん、美味い」

「おい」

「ん?」


後ろから久遠さんが先にクッキーを食べてしまった。


「生チョコも頂戴」

「無理!」


そう言って昴は逃げた。

久遠さんは追いかける。

こうして制服姿でじゃれ合ってる姿見れるのもあと少し...。


「天音!」


あたしは振り返った。

唇が一瞬、重なった。


「うーわ、見せつけんなや」

「俺より先に食べた仕返し」

「仮にも俺、天音のことすきやったんやけど」

「だからや」