ホテルに戻ると、豊はイビキをかいて爆睡だった。

私に付き合って色んな所を歩き回って疲れちゃったんだな~。

豊の寝顔を覗いてから、シャワーを浴びにバスルームへ向かった。





全身鏡に自分の裸を映す。

後ろを向いて、体を半分ねじらせ、腿の傷を見る。

あれ以来、これも私の日課になっていた。


この傷を好きだと言ってくれた豊の事を考える。

でも、私は未だに好きになれないでいた。

やはり、昔の事、思い出してしまう。

もう何年も経ってるのに。