「きっと彼らはあと一時間は出てこないと思うけど、まぁ手短に話すとだね・・。」


少しためる小川さんがちょっと憎い。
でもこんなにも早く真相が聞けると思うと、ドキドキした。
きっと豊も同じ気持ちだろう。小川さんの顔をじっと見つめていた。

「あ、ちょっとこの体勢はこの年のおやじにはきついから、ロビーにでも行かないかい?」

拍子抜けした。と同時に、

「気づかなくてごめんなさい。」

と慌てて謝った。

私達は、ホテルのロビーにあるちょっとした喫茶店に入った。

「この間にもし二人が出てきちゃったら、どうするんですか?」

「いや、いつもだいたい二時間くらいは出てこないから。それに、私だってずっと車にいなくちゃいけないってワケじゃないんだ。たまにはこうして一人で時間を潰したりしてるし、今はちゃんと便利な携帯電話もあるし、もし社長が早く出てきたら電話をよこすさ。」

気になったのは、「いつも」という言葉だった。

やはり、りぃは今回が初めてではないらしい。

豊はまたブラックコーヒーを頼み、私はアイスティー。小川さんはアイスココア。

意外にも甘党だった小川さんは、改めて・・といい、ようやく話し始めてくれた。