ただいま、チームで取り合い中。



……なんだ、今の出来事は。


先程の騒がしさは嘘みたいになくなり、廊下には生徒が何人かいるのに静まり返っていた。


恐る恐る腕時計を見てみると、飛葉が突撃してきてからまだ数分しか経っていなかった。もう30分くらい経ったと思ったが…時の流れは遅いと感じる。


「おーい…真?大丈夫か?」

「え?あぁ、大丈夫。ごめん、扉の前立っちゃって」

「それは全然いいけど…」


クラスメイトの男子に言われ、俺は教室へと慌てて足を踏み入れる。
自分の机にバックを置いて、椅子に座る。

そして、先程の出来事をもう一度思い返してみる。


『朱雀 真。お前のチームメイト!』


アイツ、俺のチームメイトって言ってた。
それに記憶だとか、意味のわかんないことも……。

俺が何か忘れている…とか?


「うぅ…意味わかんねぇことばっか」


むしゃくしゃして髪を掻きむしる。

てか慧斗さん、また来るとか言ってたか?
もうあの人たちと居ると頭がゴチャゴチャするから、正直関わりたくない……。

でも、飛葉や慧斗さんが嘘を言っているようにも見えなかったしな…。


(…駄目だ。一旦忘れよう)


なんとか頭を切り替えようとして、イヤホンで音楽を聴こうとする。この学校は授業中以外、スマホ使用が許可されているから。

でも頭の中は、飛葉の顔と“チームメイト”って言葉でいっぱいだった。


______だから、俺は知る由もなかった。


「ねぇねぇ、また真くんチーム組み直したの!?」

「でも…なんか、よそよそしい感じしたくね?」

「あそこの“4人チーム”が無くなったの、赤の他人だけどなんか寂しいんだよなぁ…」


クラス内…いや、3年生の間でそんな話が繰り広げられていたことを。