ただいま、チームで取り合い中。


俺は声を張り上げ、目を見開く。動揺を隠すことも忘れて。

胸を突き出して、言ってやったと言わんばかりに立ちはだかっている彼は…やっぱり会ったことない。


てゆーかチームメイトって…!
俺は、今も昔もそんな人はいない。友達はいるけど、チームメイトは誰1人……


「おい皐月!それはまだ言わないってあれほど…!」

「しょーがねぇじゃん?他人って認知されたくないし!」


慧斗さんが飽きれたように「はぁ………」と大きなため息を吐く。申し訳ない…

てか俺はまだ“他人”な?今日初めて会ったばかりの他人だからな!?

心の中でそうツッコんでいると、俺の顔を見た飛葉がぷぷっと吹き出す。


「ふは、やっぱ変わってねーな!また百面相してる!」

「え…」


これを言われるのは、今日2回目。1番の友達である霧に同じことを言われた。初めて会った人に。
慧斗さんも気になって俺の顔を覗き込んだが、「確かにな」とどこか懐かしげに微笑んだ。


「…なぁ、アンタらって______」

「あ、居た!飛葉!!」


俺の声は、大きな声に遮られる。名前を呼ばれた飛葉は「げ」と怪訝そうな顔をしている。
その声の持ち主は、中等部2年生のの学年主任をしている先生だった。怒ると怖いで有名な。


「お前なぁ…職員室に来いって言っただろ!?」

「えー、だって真に会いたかったんすもん!」

「そんなこと言ったら、また……」

「あーハイハイ!行きますよーだ!」


拗ねたように言うコイツは、すげー不満そう。てかやっぱ態度デケェな…恐れが全くねぇ。


「んじゃ、またな真!」


笑顔で手を振り、先生に着いていく飛葉。それを見て、俺は肩の力がふっと抜けた。騒がしい嵐がようやく去った……と。


「突然で、本当にすまなかった」

「アイツの言ってることで、理解できないところは山ほどあっただろ?」

「え、まぁ…はい」


俺は素直に頷く。
実際アイツの言っていたことで、頭の中はコーヒーカップ並にぐるぐる回り続けている。


「朝から騒がしくしたが…また、詳しい話は後にさせてくれ」


慧斗さんは「また顔を合わせにくる」と言い、高等部の校舎へと歩いていった。