霧と他愛もない話で盛り上がっていると、大きな正門が見えてくる。いつ見てもデケェ…と驚愕してしまうのは、神内学園の門。
そりゃあまぁ、小中高一貫校なら当たり前かもしれないけど…それにしてもデカい。小学校からここの学校だから、9年間ほぼ毎日見てるけど、いつもそう思う。
「あ、見て!真くんと奏くん!」
「一緒に登校してきてる!ほんと仲良しだなぁ…」
学校に近づくにつれ、人の目が多くなってくる。特に女子からめっちゃ見られる。
だけど霧はそんなのを気にもとめず、俺に世間話を持ちかけてくれる。俺が今まで会った中で、1番話しやすいと思う。
「うわーまって、部室に筆箱置いてきたんだった」
下駄箱で上履きに履き替えていると、ふいに霧がそんなことを言ってきた。
霧はピアノがめっちゃ上手い。ピアノ以外も、楽器はほとんど吹けると言っていた。それで吹奏楽部から推薦を貰っていたし、そのまま入部していた。
ちなみに俺は卓球部。地味だと思われるかもしれないけど…カコンカコンとピンポン玉をラケットで打ち返す音が好きだから、入部した。もちろん、ゲーム自体も好きだけどな?
「取りに行かなきゃじゃん」
「うん…行ってくるわ。流石に筆箱無しで授業受けれないし」
「俺は先に教室行ってる」
「了解。じゃ、また教室でね〜」
手を振って別れると、俺は教室へと向かう。
そのまま何事もなく教室へ入ろうとした。
「いたっ、真ー!!」
急に大きな声で名前を呼ばれたので振り返ると、キラキラスマイルで俺を見ている男子がいた。
え、いや…誰?
