「辛い物、無かった……」
「いやいや、普通ないでしょ。ここカフェだよ?」
「雰囲気ぶち壊しでしょ、ここにあったら」と、笑いながら言う霧に眉をひそめる。
「辛い物は正義!だから、ここにあったっていいんだよ。な?な?」
「え、ちょっとまって落ち着いてザク。ごめんって悪かったから!」
俺があまりの気迫でそう言ったからか、霧が手を前に出しながら後ずさっている。
てか霧も辛い物信者に……
「んまーでも、甘いもの多いからね。あんま昼飯に食うようなもんはないなぁ……」
「でもポテトとナゲットあったから、なんとかな」
俺がそのポテトを頬張りながら、そう言う。
てか美味いなこのポテト。カリカリ。
「あとでパンケーキ食べよっと。ザクは?」
「俺はいいや」
「辛党だもんねぇ……」
「霧は甘党?昨日も甘そうなロールケーキ食べてたもんな」
「うん。あ、見て!パンケーキに乗ってるクリーム、増量できるって!」
「え?この写真でも相当なのに、これ以上多くなったらどうなるんだよ……」
他愛もない話で盛り上がりながら、ナゲットを食べたり、クリームたっぷりのパンケーキに唖然としたり…
その間、霧は今まで見たことのない表情を沢山見せてくれた。好きなことに没頭してる幸せそうな姿は、俺まで嬉しくなってくる。
「ふぅ…あ、もう少しで慧斗先輩たちの時間じゃん」
「ほんとだ。んじゃ、最後に猫とたわむれてから行くか」
「え、いいの!?」
「当たり前。ほら、行こうぜ」
目を輝かせた霧と、猫ともう一度遊ぶことにした。
さっきは使わなかった貸し出し用の猫じゃらしを使って遊んだり、猫全員の名前を覚えるゲームをしたり…
俺は…俺らは、笑顔が絶えなかった。
