「ごちそうさまでした」
俺は手を合わせてそう言う。そして3人に向き直った。
「ごめん、待たせて……」
「大丈夫!オレらが早く食べ終わっただけだし!」
「ザクがすごい幸せそうな顔して食べてるから、なんだから俺も嬉しかったからいいよ」
「ゆっくり食べた方が体にもいいからな」
優しい声かけにホッとする。なんだか、昔から行動を共にしていたみたいだ。
「んじゃ、会計行くかー!」
「お前が奢ってくれるの?ごちそうさまー」
「は!?だからなんも言ってねぇよ!!」
そう言いながらも、伝票を持って会計へと足を運ぶ皐月。
レジの目の前まで来て、皐月が俺の方を振り返った。
「あ、真はオレが払うぜ!」
「え、別に俺自分で払うって……」
「いーの!オレが勝手に連れてきたようなもんだし!」
本気で払うと言っているようで、皐月は財布を出した。
俺も慌てて財布を取り出して、皐月にお金を渡す。
「真?だからオレ払う…」
「この時間が楽しかった、し…迷惑じゃない。だから払ってもらうわけにもいかねー」
皐月も一応後輩だ。俺の方が先輩なんだし、逆に俺が払ってやりたいところなのに。
そう思っていると、面食らったような顔をした皐月の頬がだんだん緩んでいって……
「し、真ー!!やっぱ最高、俺のチームメイト!!」
俺へと激突してきた。イノシシ並のタックルをされたので一瞬倒れかけたが、なんとか体制を堪えて立ち留まった。
「じゃあ…真の金貰って、俺が払ってくるな!まとめ払いした方が速いし!」
俺の金と…それから慧斗さんからも受け取り、最後に霧の前へと立った。
「…今日のことは悪かった。でも払いはしねーから!!」
そう言って、霧の前へと手を突き出す。
「はは、わかってるよ。逆にお前みたいな後輩に払われると、俺のプライドが傷つく」
「んだと!?」
嫌味みたいに言いながらも、ちゃんと料理分のお金を皐月の手に乗せた。
「皐月、ごめんな会計やってもらって…」
「ぜーんぜん大丈夫!だから慧さんたちは先出ててくれ!」
慧斗さんが申し訳なさそうに呟くと、皐月は笑顔でそう言ったのだった。
