「おー!きたっ!!」
皐月がそう言って、目の前に置かれたオムライスを見る。でも俺はすごい違和感を覚えた。
「え…な、なんか大きくね?」
「確かに。お前、また不正でもしたの?」
俺と霧がそう言うと、皐月は素早く否定した。
「はー?ちげーから!これ大盛り!」
霧を睨みながらメニュー表を俺に差し出してくれる。
オムライスのところを指さした皐月の指を見てみると…
「あ、確かに書いてる…てかちっさくね?」
「こんな小さい字、読めないでしょ……」
「そうか?周り、大盛り頼んでる人多そうだが」
「え?嘘だ…!」
慧斗さんに言われて周りを見渡してみると、確かに色んな料理のサイズが俺が見てきたものより大きいような…
ってか、こんな字が小さいのに見落としてないの!?メニュー表用心深く見すぎだろ……。
「あ、真のも来たよ」
霧がそう言って視線を厨房側に向けたので、俺もそっちを見てみる。
確かに店員さんがカレーを持ってるのは見えるけど…
「あれ、本当に俺の…?」
カレーなんてこの中で色んな人が頼んでるだろうし、俺のだとは限らない気がする。
「ぜっったいに真の。信じて?」
半信半疑で霧の言葉を聞いて、店員さんを見ていると…
「お待たせしました!カレー・辛口です!」
「え…あ、ありがとうございます」
本当に俺のところへと舞い降りてきたカレー。
霧、なんで分かったの!?もしかして人の心を読めたりする!?
「霧、なんでわかったの!?」
「いやいや…辛口のカレー頼んでるの、ザクぐらいだから」
た、確かに周りでこのカレーを頼んでんのは俺くらいしか見たことない…かも。
「うわー…久しぶりに見たわ、地獄カレー」
「地獄カレー?」
皐月が苦い顔をしてそう呟いたので、俺が聞き返す。
「いや、だって地獄みたいじゃん!ほら、この変赤すぎるだろ!!」
「そんな地獄か?でも、俺の好きな麻婆豆腐店の方が辛そうで……」
「あそこはレベチ!!ここもだけど!!」
その反応に少し首を傾げながらも、食欲には負けてスプーンをカレーに運ぶ。
そしてそのまま口に運んで、ぱくりと一口。
「うまっ…やっぱ最高だわ、ここ」
もちろん、辛いものは辛い。それもかなり辛い。
だけど他の店と比べるとまだマシだし、ここは旨みと辛みが両立してるっていうか…とにかく美味い!
「う…匂いだけで拒否反応が……」
慧斗さんはこの世のものとは違うという、嫌そうな目でカレーを見てたけど。
ま、俺は食べ進めるだけ!
