「今日も今日とて、人が多いな……」
店内に入って、他の人の声に紛れながら俺は呟く。
ここのカフェはすげー有名だから、いつも満席。だからオシャレな雰囲気は外観だけで…実は店内はラーメン屋のように賑わっている。
まぁ雰囲気詐欺かもしれねぇけど、チラシとかには「※店内は賑やかです」とか書かれてるから詐欺じゃねーか。
「何にするー!?オレはやっぱ昼も近ぇし、オムライス食おっかなー!」
そんな中、この店の中で1番大きな声と言えるくらいの大声で皐月が聞いてくる。
俺は声小さい方だし…すげーな、コイツの声。これで通常なんだぜ?大声出したらどうなるんだ……。
「昼飯はもう食ったから、デザートにロールケーキ食おっと」
「もう食べたのか…?まだ11時なのに?」
「?はい。10時くらいに食べました」
「早いな……」
早いとかのレベルじゃなくて、それ遅めの朝ごはんじゃね?休みの日は俺…9時くらいに食う時あるんだけど。
霧と話したあと、慧斗さんは俺の方を向いた。
「真は決まったのか?」
「はい、俺はカレーにします」
ここのカレーは辛さが選べて、結構辛いのもある。
俺は辛いものが好きだから…辛口をいつも選んでる。
「慧斗さんは決まってないんですか?」
メニュー表とにらめっこしてる慧斗さんを見て、俺は聞いた。
「あぁ。どれも美味そうでな……」
「じゃあカレーにします?ここ、美味いんで」
「う…いや、俺は……」
“カレー”という言葉に、慧斗さんは目を泳がせた。
あれ、もしかして…
「慧斗さんって、辛いもの苦手…?」
「や、やめてくれっ……」
否定しないってことは…苦手ってことか。
もちろん食の好みに関しては否定しねぇけど…辛いものは美味い!正義!!
だから圧倒的辛党の俺には、申し訳ないが理解できなかった。
「俺は、ハムカツサンドで……」
「俺が辛いもんオススメしますよ。まずは甘口から食べましょ」
「あ、あぁ…」
本当はスゲー嫌なんだろうけど、俺は揶揄い半分で慧斗さんに言った。ちなみにもう半分は、本気で辛いもん好きになってもらいたいから。そして語りたい!!
「なぁ決まったー?早く注文しよーぜ!」
不満げに皐月が言ったので、俺は慌ててうんと頷いて店員呼び出しボタンを押した。
