「…もしかしたら、俺らのこと嫌いになってないか?」
少しの沈黙のあと、慧斗さんが聞いてきた。
「え…なんでですか?」
その質問の意図を聞きたくて、質問返しをしてしまう。
すると慧斗さんはふっと目を伏せた。
「だって…皐月はあんなのだし、俺だって無理やり連れてきたようなものだろ?
嫌われていても仕方がないというか…」
その言葉に、この人はすごい人だと思ってしまう。
確かに会って2日しか経ってないけど……
「別に、嫌いとは思ってないですよ」
俺はそう言って、続いて理由も話す。
「慧斗さんは優しいし、皐月も…クセの強い奴だなって感じで嫌いではないので」
皐月みたいなタイプが、1番苦手なのに…なんでか一緒にいると心地よい。
そーいう雰囲気があるんだろう。
「…そうか」
一応褒めた…つもりだったけど、慧斗さんはどこか悲しげだった。
「ありがとう。また明日からもよろしく頼む」
聞きたかったのはそれだけらしく、もう止められることもなくなったので…俺は慧斗さんのマンションを出た。
