「で、バトルの話!!」
「あぁ、バトル……」
俺はその3文字に拒否反応を見せてしまう。その内容を聞いてないからなんとも言えないけど、バトルはなぁ…。
「俺も聞いてない。なに?バトルって」
霧が質問すると、さっきまでの険悪な雰囲気は嘘みたいになくなって、代わりに皐月が少しご機嫌にバトルの内容を説明しだした。
「バトルは名付けて!
“どちらが真を楽しませられるか!最高の日を過ごせ”
だ!」
ドドン、と効果音がつきそうな迫力で言い放つ。
…いやいや、なんて言った?最高の日を過ごせ…?
はてなマークを浮かべていると、慧斗さんが次ぐように言ってくれる。
「つまり…俺と皐月VS奏くん、お互いのチームが半日ずつ真と過ごす。そしてどちらが楽しかったか を、真が審査するというものだ」
「え?俺が、審査…?」
そんな決め方で良いのかと思ったが、皐月は誇らしげだった。
「これ、オレが考えたんだぜ!天才的だよなー!!
真のことを分かってるなら、楽しませてやることく
らい朝飯前ってこと!」
「でも、でもさ…」
「へぇ、面白そうだね。天才的なは一言余計だけど」
俺が納得できずに講義しようとすると、思ったより乗り気な霧がワクワクした様子で言った。
…霧は否定するかと思ったが、そうでもなかったみたいだ。
「一言余計はお前だよ!べーだ!」
舌を出して子供のようにあっかんべーをする皐月。
それを「まぁまぁ」と慧斗さんがなだめる。そして霧の方へと振り返った。
「奏くんは賛成…ってことでいいのか?」
「はい。あ、それと…くん付けとかいいんで」
「そうか。じゃあ奏と呼ばせてもらうな」
「じゃあ俺は慧斗先輩で」
初対面だろうけど、仲睦まじげに話す姿を見てほっとする。この2人の仲を取り持ってくれる慧斗さんがすげー神様に見えた。
「じゃあ決定なー!」
「待て。肝心の真から聞いてないだろ?」
「あそうだった!じゃ、いい真?」
いいえ、と言えない雰囲気になってしまった。俺は…俺は、悩んだけど。
「…うん」
結果的に、こくりと頷いてしまった。
