春が近づくと、どうしても思い出してしまう。
きみのことを。
去年の春、僕は君に出会った。
学校の裏にある小さな桜の木の下。
まだ少し肌寒い風の中で、君はひとりで花びらを拾っていた。
「何してるの?」
そう声をかけると、君は少しびっくりした顔をして、それから笑った。
「春を集めてるの」
意味がわからなくて、僕は笑った。
でも君は真剣な顔で、手のひらにのった桜の花びらを見せてきた。
「ほら、春ってすぐ終わるでしょ?だから残しておきたいの」
その日から、僕たちはよく一緒に過ごすようになった。
放課後の帰り道。
コンビニでアイスを買って歩いたり、桜の木の下でくだらない話をしたり。
君はよく笑う人だった。
でも時々、遠くを見るような目をしていた。
ある日、僕は聞いた。
「なんでそんなに春が好きなの?」
君は少しだけ黙って、それから言った。
「来年の春、ここにいないかもしれないから」
冗談だと思って笑った。
でも君は笑わなかった。
それから冬が来た。
君は学校を休む日が増えて、
会える時間も少なくなっていった。
そしてある日、君は言った。
「もし私がいなくなっても、春はちゃんと来るよ」
僕は何も言えなかった。
桜が咲き始めた頃、
君はもう学校に来なくなった。
理由は誰も教えてくれなかった。
ただ、君が座っていた席だけが空いていた。
そして今年、また春が来た。
きみのことを。
去年の春、僕は君に出会った。
学校の裏にある小さな桜の木の下。
まだ少し肌寒い風の中で、君はひとりで花びらを拾っていた。
「何してるの?」
そう声をかけると、君は少しびっくりした顔をして、それから笑った。
「春を集めてるの」
意味がわからなくて、僕は笑った。
でも君は真剣な顔で、手のひらにのった桜の花びらを見せてきた。
「ほら、春ってすぐ終わるでしょ?だから残しておきたいの」
その日から、僕たちはよく一緒に過ごすようになった。
放課後の帰り道。
コンビニでアイスを買って歩いたり、桜の木の下でくだらない話をしたり。
君はよく笑う人だった。
でも時々、遠くを見るような目をしていた。
ある日、僕は聞いた。
「なんでそんなに春が好きなの?」
君は少しだけ黙って、それから言った。
「来年の春、ここにいないかもしれないから」
冗談だと思って笑った。
でも君は笑わなかった。
それから冬が来た。
君は学校を休む日が増えて、
会える時間も少なくなっていった。
そしてある日、君は言った。
「もし私がいなくなっても、春はちゃんと来るよ」
僕は何も言えなかった。
桜が咲き始めた頃、
君はもう学校に来なくなった。
理由は誰も教えてくれなかった。
ただ、君が座っていた席だけが空いていた。
そして今年、また春が来た。
