「桃乃さん。はよー」
私は昨日から金田くんと仲良くなった。
いや、正確に言えばまだ仲良くはなっていない。
だけど少しだけ話してみようと思ってしまった。
「…おはよ…ございます」
金田くんが笑いだした。
「ぷっ……桃乃さん敬語いいって笑」
私は金田くんを睨んでそのまま読書をした。
「なぁー、何それ」
横を見るととてつもなく金田くんの顔がドアップ。
私は机と椅子を離した。
「えぇ〜。」
「おい、咲。もっと桃乃さんの気持ち考えろ」
そーだそーだ。私の気持ちをもっと考えて。
そんなドアップされた私の気持ちも考えて欲しい。
「えー、人の気持ちなんてわかるわけなくね?」
「そーだな、お前には無理だは」
「は?!何その言い方!酷くね?!」
そして二人の言い合いが始まった。
喧嘩するほど仲がいいってやつだねきっと。
そして昼休み。
私はいつも通り花を持って屋上に向かった。
途中で花に水やりをした。
今日の空は青だ。雲ひとつない綺麗な青。
気持ちよすぎて眠ってしまいそう…
「おい〜。そんなとこで目瞑ってたらほんとに寝てしまうぞ?」
うるさっ。好きにさせてよ。
目を開けると金田くんが隣に座っていた。
私は起き上がると伸びをした。
もう金田くんがここにいることが毎日ありすぎてなんとも思わなくなってしまった。
「あ!やっぱりここにいた」
扉の方を見ると黒くんがこちらに向かって歩いてきていた。
「あ、とはじゃん」
金田くんは笑顔で黒くんを迎えている。
「桃乃さんも、こんなとこで何してたん?」
私は別に何もしてない。休憩してただけだし
「桃乃さんは俺とお話してたの」
ウィンクして、さらに手が肩に触れられて私の自体は震えて2mほど離れた。
「咲…お前キモイな」
「はぁ!?なんて言った?もう一回言ってみろ!」
金田くんが黒くんを追いかけ回していた。
黒くんも金田くんも楽しそうでなんか幼稚園のことを思い出してしまった。
昔もこうして他の子が走り回ってるのを遠くで見てたな…
懐かしい。
「桃乃さんもやる?」
え?
前を向くと金田くんがニカッと笑ってきた。
「やるわけないだろ。こんなくだらない遊び。それにもうおしまい」
その瞬間チャイムがなった。
「ほら、咲、教室戻るぞ…桃乃さんも」
そして二人は屋上を去っていった。
私は二人の背中を見送ったあとに教室に戻った。
席に着いた時にはほんとギリギリだった。
あ!!まずい…花を屋上に置いてきちゃった…
「桃乃さん。なんか顔色悪いけどどした?」
「あ、…」
それ以上の言葉は声には出てくれなかった。
「桃乃さん、ちょっとまってて」
そして金田くんは教室を飛び出して行った。
え?あと一分でチャイムなるよ?一体どこに…?
「はーい、英語始めるぞー」
金田くんが去った二分後くらいに先生がやってきた。
「あれ?金田は?」
「先生〜!どっか行きました」
「たくっまぁいいや、とりあえず進めるぞー」
どうしよ、私のせいで金田くんの成績が…。
そしてどんどん授業が進んでいった。
私はその間全く集中出来なかった。
チャイムがなり終わってから数秒後に金田くんはかえってきた。
「はい、桃乃さん。これでしょ?」
そして持ってきたのは、私がいつも持ち歩いてる花だった。
なんでわかったのかは意味がわからなかった。
「あり…がと…」
「ん」
金田くんは席に座った。
黒くんが来て頭を叩いた。
「いてっ…おいとは!何すんだよ」
「お前な、バカか。留年するぞ。桃乃さんのこと心配なのはわかるがちょっとは自分のことも心配しろ」
私の心配…?何を言っているの黒くん。私のこと心配してるわけないでしょ。
「おーい、金田。ちょっと」
さっきの英語の先生が戻ってきて金田くんを連れ出した。
黒くんは金田くんを見送ってから自分の席に戻っていった。
「あ、あの…」
私は放課後に金田くんに話しかけた
「ん?どした?」
「ごめんなさい…」
「は?なにが?」
私はそのまま走り去ってしまった。
「てか…聞いたかとは!」
「なに?」
「桃乃さんが自分から話しかけてきたぞ!?やばくない?これ記念だよ記念」
「これを記念するやつがどこにいるんだよ」
はぁ、はぁ、はぁ、き、緊張した。
胸を抑えながら息をした。
やっぱり話しかけるべきではなかった。私にはまだ早い。ほっといた方が良かったのかも。
「あら花、おかえりなさい」
「…ただいま」
そして自室に戻った。
「ご飯」
少し勉強してから色葉にご飯呼ばれたので私はリビングに向かった。
「ねぇー、お母さん。私今度彼氏とご飯食べてきていい?」
「どこ行くのよ」
「えっとー、まだ決めてない」
「決めてから言いに来なさい。否定はしないから」
色葉がぱぁーっと顔を輝かせた。
青春だね。
色葉は彼氏がいて毎日楽しそうで…
「花には出来るわけないもんね笑彼氏とか」
「花地味だしなんも話さないもん笑」
そう、その通りだ。
図星すぎて返す言葉が見つからない。
それに見つかったとしてもそれを口にすることはない。
それと、彼氏とか幸せとかいらない。必要ないから。
「こら、色葉。そんなこと言っちゃダメでしょ」
「えぇー、事実言っただけなのに」
ぷぷっと色葉が笑ってお皿を片付けに行った。
「花、気にしなくていいのよ」
「…別に」
気になんてするわけない。言いたいだけいえばいいよ。色葉は事実しか言ってないんだから。
「桃乃さん!おはよーん」
次の日、机で読書をしていたら金田くんが来た。
隣を見てみると黒くんも一緒だった。
「よっ桃乃さん。」
私は一例してまた読書に戻った。
「はーいそんじゃあ国語初めて行くよー」
1時間目のチャイムがなり先生が入ってきた。
今日の授業は遊びらしい。
「ほんじゃあ、さんずいの漢字を思い浮かべてください。被ったら負けです」
私が選んだ漢字は……「源」。
被らなきゃいいけど…
「桃乃さんなんの漢字したのー?」
隣から話しかけてくる金田くんの声。
てか、漢字って教えていいの?ダメじゃない?
「咲〜。これ教えちゃダメなんだよ?」
後ろの席からクラスメイトが話しかけていた。
そして、金田くんは驚いた顔をした。
みんなが立ったあと、順番にそれぞれ思い浮かべた漢字を言っていく。
減、沙、消、流…とどんどんいって言った。
そして私の番が来るまで源という漢字は出なかった。
私が言い終わると座ったのは…
「お、桃乃さん一緒の漢字?!」
金田くん。ただ1人だった。
まさか金田くんと思い浮かべた漢字が被るなんて…
一時間目の授業が終わり、私は後ろに置いてある花をもって教室を出た。
廊下を歩いていると、私の視界に入る人がみんな私のことを気持ち悪いと言っていた。
私は下を向きながら何も考えずに歩いた。
教室は色が明るいのに教室を出ると全て電気を消したみたいに暗くなる。
花に水やりをしてから急いで教室に戻った。
一呼吸して、私は勉強をしようと教科書を開いた。
「桃乃さん、勉強してるの?偉いね」
隣を見ると金田くん…じゃなくて黒くんがいた。
「あ、…えっと…」
「おーいー、とは〜。俺の席とるなー」
その後に教室のドアから金田くんが入ってきた。
黒くんは金田くんが来たあと席を離れた。
横を見ると金田くんがなんか食べていた…
「咲、それなに?」
「あ〜これ?飴〜いる?」
そしてひとつ飴を黒くんに渡した。
「桃乃さんもいる?」
そして私の目の前にひとつ飴が置かれた。
私はそれを食べるではなく、ポケットに入れた。
「てか、咲が飴とか珍し〜」
「そうか?別に普通じゃね?」
飴食べるの珍しいんだ。
放課後私は今日も人一倍早く教室を出た。
廊下を歩いているとやっぱりみんなの視線が痛い。
「あいつガチキモイよな」
「不気味」
そんな声がちらほら聞こえてきて下を向く。
大丈夫。大丈夫。そう言い聞かせながら早足で学校を出た。
前を見るとやっぱり世界は薄暗い。
教室にいる時は明るかったのに…
「私夜彼氏とご飯食べてくるから」
家に帰ると色葉と鉢合わせてしまった。
色葉はそれだけゆうと階段を登り自分の部屋へと入っていった。
私はため息を吐いてから自室に戻った。
教科書を開いて勉強を始める。
なんだかいつもより集中出来なかった。
「花〜ご飯よー」
お母さんが自室に入ってきた。
「あら、寝てたのね」
私はいつの間にか寝てしまっていた。
「花、起きなさい、ご飯よ」
そして私の体は揺らされ、起こされた。
「ん…お母さん?」
「あら、やっと起きた。ご飯よ早く降りてきなさい」
お母さんはそのままリビングに行ってしまった。
私は背伸びをして、そのままリビングに向かった。
今日は色葉が彼氏とご飯だからお母さんと二人きりだ。
「花、こんどみんなでどっか出かけましょうか」
「…うん」
「どこか出かけたいところはない?」
「…ない」
「そっか。わかった」
私は食べ終わったお皿を洗った。
「…先お風呂入ってくるね」
私はバスタオルと、着替えを取りに一度自室に戻った。
…温かい。
お風呂の温かい温度が全身にぶわぁーっと伝わってきてとてもホカホカする。
お風呂から上がり髪の毛を乾かした。
「ただいま」
後ろから色葉が手を洗いに入ってきた。
色葉の顔がいつもより緩んでいた。
きっと彼氏となんかあったんだろう。
髪の毛を乾かし終わり、私は自室に戻った。
窓を開け、星を見あげた。
夜の風が寒い…。だけど、すごく気持ちいい。
「♪」
あ、まただ。また歌声とギターの音。
一体誰が弾いているんだろう。
数分聞いたあと私は扉を閉めて眠りについた。
朝起き、時計を見ると朝の十時だった。
どうやら結構寝てしまっていたらしい。
「花、おはよう」
そして、朝ごはんが出された。
目玉焼きに、サラダ、ご飯。
いつもと変わらない朝ごはんだった。
「はぁー。おはよう」
あくびをして起きてきた色葉。
なんだか寝癖が酷い。
「色葉、ちょっと鏡みてきたら?寝癖酷いわよ?」
「へ?!今日彼氏と会うのにそれはまずい!!」
色葉は今の言葉で目が覚めたのか、急いで洗面所に向かっていた。
私は黙々とご飯を食べすすめた。
「ただいま〜」
ドアの方を見てみるとまさかのお父さんがいた。
「あら、今日は休みなのね」
「あぁ。」
そしてお父さんは、椅子に座りコーヒーを飲んだ。
「おぉ、花。元気してたか?最近仕事が忙しくてなかなか顔合わせられなくてごめんな」
別に大丈夫だけど…
「あ!お父さん!」
洗面所から帰ってきた色葉がお父さんに抱きついた。
「おぉー、色葉、元気してたか?色葉はいつまで経っても甘えん坊だな〜」
えへへっと色葉が照れた。
私は食べ終わり、お皿を持って洗いに行った。
私は自室に戻り、一日中勉強をした。
「花、ご飯だぞー。」
今日は珍しく、お父さんがいるからお父さんが私を呼びに来た。
私は立ち上がってお父さんの横を通り過ぎ、リビングに向かった。
「ねぇー、お母さん聞いてー!」
「今日ね、彼氏とあったらキスされちゃったの…」
あぁー、めっちゃ悪いタイミングできてしまった。最悪だ。
「えぇー!良かったじゃなぁーい」
はぁー。私は椅子に座りご飯を口に運んだ。
色葉は浮かれているのかとてもニコニコしていた。
いや、正確に言えばニヤニヤだ。
食べ終わったお皿を洗っていたら色葉が来た。
「花〜。これよろしく」
私にだけ聞こえるようにそう言ってリビングを出ていった。
私は小さく呼吸を吐いて、色葉の分まで洗い物をした。
お父さんとお母さんの方を見てみると、なんだか楽しそうに話していた。
お母さんの顔が幸せそうな顔をして私まで少し嬉しくなる。
色葉の分も洗い終わったあと寝る準備をしてから眠りについた。
勉強した疲れもあってか、すぐ寝れた。
「花〜。おはよう」
「…おはよう」
昨日、お父さんが帰ってきて余程嬉しかったのかお母さんの機嫌はいつもに増してとても良かった。
「私今日カフェで勉強してくる」
朝ごはんを食べながらお母さんに聞こえる声でそう言った。
「そなの?行ってらっしゃい。」
「花が休みの日に外出るとか久しぶりだわね」
お母さんは嬉しそうに微笑んだ。
「色葉は彼氏と海に出かけたわよ」
聞いてもないこと言われて気分が悪くなった。
色葉の事情とか、別に知りたくないし。
「…そなんだ」
そして私は、準備をしに自室に戻った。
カバンに、教科書、ノート、筆箱、お金、スマホを入れて、家を出た。
散歩していると鳥の鳴き声や、太陽の温かさが伝わってきてとても気持ちいい。
そして着いたカフェ…「豆」だ。
カランコロン。
「いらっしゃい〜!空いてる席どーぞ」
一礼して、空いてる席に座った。
お昼になり、休憩がてらにオムライスを頼んだ。
んー、美味しい。
オムライスを食べているとカランコロンとドアの音が鳴った。
そちらに目を向けると、黒くんと金田くんがいた。
驚いて、姿がバレないように下を向いた。
なのに、二人は私の姿を見つけてしまった。
「桃乃さん!!」
ニコニコで駆け寄ってくる金田くん。
「桃乃さんもお昼食べに来たの?」
その後ろから黒くんが現れた
そして黒くんは私の手元に目線を落とした。
「え?勉強?偉いね」
そして二人は私の前の席に座った。
私は下を向いて目を合わせないように気をつけて黙々とオムライスを食べ進めた。
「…お前気持ち悪い」
黒くんが金田くんの頭を叩いた。
「いって…何すんだよ〜」
私は顔をあげることなく食べ進めた。
そして食べ終わってから席を立ち、お皿を返しに行った。
戻ってきてからまた勉強を始めた。
前から視線が伝わる。
前を向くと金田くんと目が合った。
私はびっくりしてすぐ下を向いた。
「え?!なんで下向くの?ねぇ…桃乃さん」
顔が近づいてくるのがわかる。
「おい、咲。」
黒くんが金田くんの服を引っ張って椅子に引き戻す。
金田くんは拗ねた。
「…ごめんなさい」
そう小さい声で言った。
「「え?」」
二人が同時にこちらを向いた。
すいません。すいません。
声小さくてごめんなさい。下向いてすいません。
握る手に力が入った。
「桃乃さん」
隣で優しい声が…誰?
顔を上げて隣を見ると黒くんがいた。
「気にすることないよ。咲はああ言うやつだからさっ。ちょっと人との距離が近いんだよ笑
でもちょっとキモイよねー」
「うんうんってえ?」
「おいとは!キモイって何?酷くない?ねぇ。桃乃さん」
金田くんがこちらを見た。
「え?桃乃さん笑ってる?え?」
肩が震えている。笑いを堪えているのだ。
金田くんがグイッと顔をちかづけてきた。
私はその瞬間椅子をすっとひく。
「おい。咲そうゆうとこだぞ。」
金田くんはチェっと言って普通に座った。
椅子を元に戻して勉強をする。
そして昼の三時。私は荷物をまとめた。
カバンを肩にかけて二人を見ようと思ったが見れなかったから下を向いたまま。
「あ、あの。私はこれで」
頭を下げて急いで豆から出る。
ドアを開けて中に入る。
そして自室に。
ベッドに横になって天井を見つめる。
はぁー。疲れた。てかなんであんなタイミングで金田くんと黒くんと会うんだろ。
タイミング悪すぎ。
はぁー。
「__て!」
なんだろ。遠くから色葉の声が…
バッと起き上がった。隣を見ると色葉がいた。
え?なに?
「いつまで寝てんの。ご飯だから」
バン!
ドアが勢いよく閉められた。完全に怒ってる…
リビングに行ってご飯を食べる。
色葉からすごく怒りのオーラが出ている
「ねぇー。二人とも。」
お母さんがこっちを見るだけど私は黙々と食べる。
「なに?」
色葉が言った。
「来週の土曜旅行行きましょっか」
「パパまた帰ってくるみたいだし?」
色葉の顔色が変わった。
「え?パパ帰ってきて旅行?!最高なんだけど!」
「どこ行くの?」
「色葉行きたいとこないー?」
「んー。清水寺行きたい!」
「花はそれでいい?」
こくんと頷いた。
それから食べ終わってお皿を洗った。
「これ、よろしく」
私にだけ聴こえるように色葉がお皿を持ってきておいた。
仕方なく色葉の分も洗ってあげた。
色葉が上がってきていたから私はお風呂に入った。
…疲れた。
金田くんと黒くんには会うし、なんか勉強見られるしで大変だったな…それに来週の土曜旅行だ
し…ほんと疲れたし疲れそう。
髪の毛を洗って自室に戻る。
背伸びをして窓を開けた。
「♪」
…まただ。
目を瞑って音楽を聴く。ほんと綺麗な声。
数分経ってから窓を閉めて寝た。
そして来週の土曜。出かける日だ。朝の4時からおきてみんな準備を始める。
体を起こすとドアの向こうでバタバタ音が聞こえる。
ドアを開けると色葉がいた。
「何してんの?早く準備しなよ」
そして色葉は去っていった。
私は洗面所に立って顔を洗った。歯磨きもして、自室に戻った。
キャリーケースは昨日詰めたから、チャックを閉めて、クローゼットから黒のズボン
に白のTシャツを出して着替えた。
鏡を見る…地味。これでいい。オシャレをしたってなんの得にもならない。
それからカバンを持ってキャリーケースを持って玄関に向かった。
まだバタバタしている。
後ろを振り返ると色葉が階段から降りてきてきた。
「え?地味だね。」
色葉が私の服装を見て苦笑いした。
それでいい。オシャレしても意味無い。
色葉は…すごくオシャレ。
そして玄関にみんな集まった。
「それなら行きましょっか。」
車に乗って走り出す。運転はお父さん。
「大丈夫か?眠かったら寝てもいーぞ」
「私は大丈夫!!」
色葉が元気よく言う。
私は返事をしない。黙って景色を見ている。
薄暗い。こうゆう景色が私は好きだ。
明るくもなく暗くもないちょうどいい明るさ。
そして空港に着いた。キャリーケースを持って空港に入る。
色々終わってから飛行機に乗った。
「すごいよ!綺麗ー」
まだ飛んでないのに色葉がうきうきわくわくしていた。
飛んでから景色が見える。
「わー。すごく綺麗」
色葉の笑顔。
私は目を瞑って眠った。
「__よ。は__わ__よ」
身体が揺れている…
目を開けると飛行機は止まっていてみんな降りて行っている。着いたのかな。身体を起こした。
「早く行って。待ってるんだけど」
隣を見ると色葉が怒った表情をしてる。
私は立ち上がってキャリーケースを持って出る。
スマホを見ると朝の7時だった。
時間を確認してからまたスマホをポケットにしまった。
ホテルに荷物を置いてから清水寺に向かった。
清水寺に着くと屋台がいっぱいでそれに浴衣を着た人もいる。
「わー。これ食べたい!」
早速色葉がいちご飴屋を指さした。
テンションが上がっているのがわかる。
お父さんは色葉の元に行っていちご飴をひとつ買っていた。
色葉はそれを食べながら戻ってくる。
「美味し」
私に見せびらかしているみたいだ。
ウザイとも何も感じない。
それから屋台を回ってからいよいよ上に上がって清水寺に入る。
「わー!高い。」
「綺麗だはね」
お母さんと色葉は完全にはしゃいでいる。
お父さんはゆっくり二人に近づいて後ろから景色を見ている。
私は普通に静かに景色を見ている。
「ままー!あれやろ!」
音羽の滝の三つの水を指している。
「いーわよ」
二人は水煮向かって歩いていった。
お父さんは私の元に来て
「花。楽しいか?」
全然。いつも通りってかんじ。
「うん」
そう素っ気なく返して歩き出す。
お父さんも後ろから着いてきた。
「色葉は家でどうだ?元気にしてるか?」
「うん」
「花はなんか困っていることはないか?」
「ない」
お父さんはずっと質問してくる。
なんか。もう良くない?
そして色葉とお母さんが居る音羽の滝に着いた。
私はふたりがやっているのを見ている。
「色葉も母さんも花も元気で、楽しそうでよかった。」
私別に楽しくないけどね。まぁみんなが楽しそうにしてるならそれでいいか。
「あ、お父さん!私恋の水飲んできた!」
笑顔でお父さんに向かって言っている。
お父さんはそうか、良かったなと色葉の頭を撫でている。
お母さんも後ろから合流した。
そして三人が歩き出してから私も歩き出す。
ホテルに着いた。
「わー!疲れた!」
ボスッと色葉がベットに向かって飛ぶ。
私はベットに揃っと座った。
「さ、温泉行きましょっか」
「いくー!ってお父さんは?」
「先に言ったわよ?」
「はやっ!」
色葉は立ち上がってお風呂の準備を始める。
私はもう終わって待っている。
温泉に入った。温泉はそこまで広くはなかった。
「ぷはぁー。暖かい」
身体を休めるためにぶくぶくなどのマッサージが置いてある。
お母さんは、背中をマッサージするところで座っている。
私は端っこに、色葉はバシャバシャとはしゃいでいる。
温泉方からあがって浴衣に着替えた。
部屋に戻ってきてベットに座る。
「明日、チェックアウト十時だから。出る準備してから寝なさいね」
私はキャリーケースの前で着替えやらを片付けている。
「ねぇー花。」
耳元で声が聞こえて手が止まる。
「私の荷物も片付けといて。よろしく」
と小声で言ってから色葉はベットに横になった。
あーあ。面倒くさ。
自分の荷物を片付け終わってから色葉のも片付け始めた。
すごく荷物が多くて片付けるのに時間がかかるし面倒。
次の日。
バタバタ。
物音で起きて目を擦る。時計を見ると朝の六時。
「何ダラダラ寝てんの?早く準備しなよ」
起きて顔を洗いに行く。
着替えて準備完了。
「え?ダサっ。」
それだけ言うとまた色葉は準備を始める。
私は色葉みたいにオシャレやメイクなどしないのでどうでもいい。
そしてチェックアウトしてからホテルを出た。
「さ、空港行くか。」
歩いて近い場所なので歩いて向かう。
「ねぇー。荷物重ーい」
キャリーケースを引きながら色葉がそんなことを言う。
荷物片付けている時に思ったけど色葉は荷物が多いんだよきっと。
「私は無理だはよ?自分ので精一杯よ」
「俺も色々しなきゃいけないから無理だ。ごめんな色葉」
チッと後ろから舌打ちが聞こえた気がした。
「ねぇー花。これ、運んで?」
「…これで精一杯」
「いいから持てよ」
仕方なくもつ。すごく重い。色葉はお母さんとお父さんの元に走って行った。
空港に着いてからお土産を見る。
別に渡す人なんていないけど。
「私これ!」
色葉が手にいっぱいのお土産を持っている。お父さんはそれをカゴに入れた。
「誰に渡すんだ?」
「んーと、友達と彼氏!」
笑顔でそうゆう色葉。ウザイとも何も感じない。
私はお土産をひとつ持って自分で買いに行った。
終わってから飛行機に乗る。また色葉は窓側。すごく足をバタバタさせて目がキラキラしている。
出発した。耳が変な感じ。
外の景色は最高だと知っているが私は見ない。私はそのまま目を瞑った。
目を開けると着陸のアナウンスが流れていた。
私は荷物をまとめて降りる準備をする。
降りて車に乗った。
「どうだった?楽しかったか?」
「めっちゃ楽しかったよ!!また行きたい!」
「だな。」
運転中。色葉とお父さんが話をしてる。
私は別に楽しくなかったから何も答えない。
外の景色をぼーっと眺めた。
家に着くと時刻は昼の三時だった。
「たっだいまぁー!」
色葉はそのままドスッとソファーに座った。
私はキャリーケースを部屋に運んで荷物を片付け始める。
って言っても私は服と下着しか持って行ってなかったからそれを洗濯物に詰め込むだけだ。
入れてから部屋に戻ってキャリーケースをクローゼットの奥にしまった。
「おーい。花。なんか軽く食べいかないか?」
お父さんがドアを開けて言う。
「…ん」
これが私の了解の言い方だ。
「なら車出すから乗って。」
カバンを持って車に乗り込む。
走り出した。私はまた外を眺める。
「何食いたい?」
「ん〜、お寿司?」
「いーな。お寿司にするか」
お寿司屋に着いて席に着く。
色葉はワクワクした状態で注文をする。
私はあまりお腹空いていないから軽く三つ注文した。
届いてそれを食べる。
「んまぁー!」
色葉もご飯が届いて食べていた。
食べ終わってから家に戻った。
「私、外散歩してくるね」
それだけ言って家を出る。
公園について椅子に座る。
ふぅー。疲れた…。旅行とかほんと疲れる。
「あれ?桃乃さん?」
顔を上げると金田くんがいた。キョロキョロ見るけど黒くんはいなかった。
「あ、とは?とはは、今家だよ。俺一人」
ニヒッと金田くんは笑顔でこっちを見てくる。
「てかめっちゃ疲れた顔してない?!大丈夫?」
顔を覗き込まれてびっくりする。
「…べ、別に」
少し顔を逸らす。
「ふーん。なんか怪しいなー。」
金田くんは前を向いた。
「あ、てかこれあげる。」
貰ったのはチョコだった。
袋を開けて口に入れる。
「…甘い」
金田くんは笑いだした。
「いや笑…当たり前でしょ。チョコなんだから笑」
当たり前…か。
夕方八時、外はもう真っ暗だ。
「よし。そろそろ帰るか」
金田くんが立ち上がった。
てか…どうしよ。私くらいの苦手だし…帰れそうにないな…
「早く行くよ」
金田くんが振り返ってこっちを見ている。
「…え?」
「送ってやる。」
固まった。
「いーから早く行くよ」
金田くんが私の手首を取って歩き出す。
私は完全に混乱した。何が起きている?
少し歩いたところで金田くんは手を離した。
「ごめん。」
え?なにが?
「手首痛くなかった?」
金田くんがこちらを向く。私は首を横に振った。
金田くんが微笑んだ。
「良かった。」
そしてまた歩き出す。
家に着いて。
「なら桃乃さん。またね!」
去っていく背中を見た。少し距離が空いてから金田くんの元まで走っていって服を引っ張る。
「…どしたの?桃乃さん」
金田くんが振り返る。私は下を向いたまま
「…少し待ってて」
そして手を離して家に向かって走る。家に入ってから袋を持ってまた金田くんの元に行く。
袋を差し出した。
「これ…あげる」
「え?!いーのか?」
頷いた。
金田くんはぱぁーっと顔が明るくなり私の手から袋を取る。
「わ、美味しそう!」
金田くんが中を覗き込んだ。
「帰ってから食べる!」
「桃乃さんありがと」
笑顔でこちらを見た。
「い、いや…当然のことをしたまでです。」
一礼して家の中まで走って行った。
私が去ったあと金田くんはスキップをしながら帰ったということは誰も知らない。
次の日の朝
あくびをして体を起こした。
時計を見るともう六時。急いで着替えて朝ごはんを食べる。
「ねぇ〜ままー」
「なーに?」
「今日彼氏と放課後デート行くんだけどお金ないからちょーだい」
「はいよ。」
お母さんは色葉に三千円を渡していた。
私は食べ終わってからカバンを持って家を出た。
通学路はいつもと変わらない。手にはお花を持っている。
校門近くになるとやっぱり気持ち悪いとかが耳に届く。私は下を向いたまま教室に行く。
席について読書を始めた。
「あ!桃乃さん!おはよー!」
明らかにテンションが高い金田くんが現れた。
「お菓子ちょー美味しかった!」
笑顔でこちらを見てくる
「…良かったです」
それだけ言ってまた読書をする。
「あー。なんだ朝からテンション高かったのはこのせいか」
黒くんが後ろから腕を組みながらくる。
「いーだろー?」
金田くんは黒くんに向かって笑顔を見せた。
「おーい!お前ら〜席つけー」
先生が教室のドアを開けながら入ってくる。
「さて、ホームルームは以上!解散!」
ガクッとまた落ちてしまいそうな超簡単なホームルームだった。
「やませーん!毎回思うんだけどホームルーム言うことないのに集める必要ないっしょ?」
「まぁなー。雰囲気だけ雰囲気だけ」
そして先生は笑った。
一時間目は理科で移動教室なので荷物を持って理科室に向かう。
もちろん花は忘れてない。
席は自由席だったので窓側の一番後ろに座った。
「桃乃さーん!この座っていい〜?」
私は頷く。
「俺もい?」
黒くんが聞いてきたのでまた頷く。
この三人の話に入れないのかなんだか知らないけどチャイムがなるまでここの席に座る人はいなかった
先生が入ってきた。
「授業始めるよ〜」
みんなが一斉に席について授業が始まる。
理科室に集められたのは実験のため。
なので実験の説明を先生に聞いてから準備を始める。
今日の実験は危ないっということが分かった。
実験の準備を始める
「咲は大人しくしてろよな?」
「は?なんで?!」
「俺も実験やりたぁーい!」
「お前がなんかやったら危ないだろ」
準備をひとりでしながらふたりの会話を聞く
そして思いのを持つ時黒くんがきて持ってくれた。
「ありがと…」
「全然!当然のことをしただけ」
ってゆって重いものしか運んでないくせに。まぁ。重いものは持てないから助かるけど。
そして実験の準備が整いいよいよ始まる。
周りを見ると保護メガネで遊んでる人が多数いた。特に女子。
先生はと言うと一人寂しく実験していた。
金田くんはじーっと私たちが実験してるのを見てる。
保護メガネが面白くてなんだか笑ってしまいそうになった
「え?笑桃乃さん?なんか笑ってる?」
私は首を振る。
「咲の保護メガネが面白いんじゃねーの?笑」
読まれてた。
「はぁー?意味わかんねー。これがふつーだよふつー」
「そのふつーが面白いんじゃねーの?笑」
金田くんが怒って黒くんの背中を叩いた
「いって。咲。覚えとけよ?」
黒くんがニヤッと笑った。
私は昨日から金田くんと仲良くなった。
いや、正確に言えばまだ仲良くはなっていない。
だけど少しだけ話してみようと思ってしまった。
「…おはよ…ございます」
金田くんが笑いだした。
「ぷっ……桃乃さん敬語いいって笑」
私は金田くんを睨んでそのまま読書をした。
「なぁー、何それ」
横を見るととてつもなく金田くんの顔がドアップ。
私は机と椅子を離した。
「えぇ〜。」
「おい、咲。もっと桃乃さんの気持ち考えろ」
そーだそーだ。私の気持ちをもっと考えて。
そんなドアップされた私の気持ちも考えて欲しい。
「えー、人の気持ちなんてわかるわけなくね?」
「そーだな、お前には無理だは」
「は?!何その言い方!酷くね?!」
そして二人の言い合いが始まった。
喧嘩するほど仲がいいってやつだねきっと。
そして昼休み。
私はいつも通り花を持って屋上に向かった。
途中で花に水やりをした。
今日の空は青だ。雲ひとつない綺麗な青。
気持ちよすぎて眠ってしまいそう…
「おい〜。そんなとこで目瞑ってたらほんとに寝てしまうぞ?」
うるさっ。好きにさせてよ。
目を開けると金田くんが隣に座っていた。
私は起き上がると伸びをした。
もう金田くんがここにいることが毎日ありすぎてなんとも思わなくなってしまった。
「あ!やっぱりここにいた」
扉の方を見ると黒くんがこちらに向かって歩いてきていた。
「あ、とはじゃん」
金田くんは笑顔で黒くんを迎えている。
「桃乃さんも、こんなとこで何してたん?」
私は別に何もしてない。休憩してただけだし
「桃乃さんは俺とお話してたの」
ウィンクして、さらに手が肩に触れられて私の自体は震えて2mほど離れた。
「咲…お前キモイな」
「はぁ!?なんて言った?もう一回言ってみろ!」
金田くんが黒くんを追いかけ回していた。
黒くんも金田くんも楽しそうでなんか幼稚園のことを思い出してしまった。
昔もこうして他の子が走り回ってるのを遠くで見てたな…
懐かしい。
「桃乃さんもやる?」
え?
前を向くと金田くんがニカッと笑ってきた。
「やるわけないだろ。こんなくだらない遊び。それにもうおしまい」
その瞬間チャイムがなった。
「ほら、咲、教室戻るぞ…桃乃さんも」
そして二人は屋上を去っていった。
私は二人の背中を見送ったあとに教室に戻った。
席に着いた時にはほんとギリギリだった。
あ!!まずい…花を屋上に置いてきちゃった…
「桃乃さん。なんか顔色悪いけどどした?」
「あ、…」
それ以上の言葉は声には出てくれなかった。
「桃乃さん、ちょっとまってて」
そして金田くんは教室を飛び出して行った。
え?あと一分でチャイムなるよ?一体どこに…?
「はーい、英語始めるぞー」
金田くんが去った二分後くらいに先生がやってきた。
「あれ?金田は?」
「先生〜!どっか行きました」
「たくっまぁいいや、とりあえず進めるぞー」
どうしよ、私のせいで金田くんの成績が…。
そしてどんどん授業が進んでいった。
私はその間全く集中出来なかった。
チャイムがなり終わってから数秒後に金田くんはかえってきた。
「はい、桃乃さん。これでしょ?」
そして持ってきたのは、私がいつも持ち歩いてる花だった。
なんでわかったのかは意味がわからなかった。
「あり…がと…」
「ん」
金田くんは席に座った。
黒くんが来て頭を叩いた。
「いてっ…おいとは!何すんだよ」
「お前な、バカか。留年するぞ。桃乃さんのこと心配なのはわかるがちょっとは自分のことも心配しろ」
私の心配…?何を言っているの黒くん。私のこと心配してるわけないでしょ。
「おーい、金田。ちょっと」
さっきの英語の先生が戻ってきて金田くんを連れ出した。
黒くんは金田くんを見送ってから自分の席に戻っていった。
「あ、あの…」
私は放課後に金田くんに話しかけた
「ん?どした?」
「ごめんなさい…」
「は?なにが?」
私はそのまま走り去ってしまった。
「てか…聞いたかとは!」
「なに?」
「桃乃さんが自分から話しかけてきたぞ!?やばくない?これ記念だよ記念」
「これを記念するやつがどこにいるんだよ」
はぁ、はぁ、はぁ、き、緊張した。
胸を抑えながら息をした。
やっぱり話しかけるべきではなかった。私にはまだ早い。ほっといた方が良かったのかも。
「あら花、おかえりなさい」
「…ただいま」
そして自室に戻った。
「ご飯」
少し勉強してから色葉にご飯呼ばれたので私はリビングに向かった。
「ねぇー、お母さん。私今度彼氏とご飯食べてきていい?」
「どこ行くのよ」
「えっとー、まだ決めてない」
「決めてから言いに来なさい。否定はしないから」
色葉がぱぁーっと顔を輝かせた。
青春だね。
色葉は彼氏がいて毎日楽しそうで…
「花には出来るわけないもんね笑彼氏とか」
「花地味だしなんも話さないもん笑」
そう、その通りだ。
図星すぎて返す言葉が見つからない。
それに見つかったとしてもそれを口にすることはない。
それと、彼氏とか幸せとかいらない。必要ないから。
「こら、色葉。そんなこと言っちゃダメでしょ」
「えぇー、事実言っただけなのに」
ぷぷっと色葉が笑ってお皿を片付けに行った。
「花、気にしなくていいのよ」
「…別に」
気になんてするわけない。言いたいだけいえばいいよ。色葉は事実しか言ってないんだから。
「桃乃さん!おはよーん」
次の日、机で読書をしていたら金田くんが来た。
隣を見てみると黒くんも一緒だった。
「よっ桃乃さん。」
私は一例してまた読書に戻った。
「はーいそんじゃあ国語初めて行くよー」
1時間目のチャイムがなり先生が入ってきた。
今日の授業は遊びらしい。
「ほんじゃあ、さんずいの漢字を思い浮かべてください。被ったら負けです」
私が選んだ漢字は……「源」。
被らなきゃいいけど…
「桃乃さんなんの漢字したのー?」
隣から話しかけてくる金田くんの声。
てか、漢字って教えていいの?ダメじゃない?
「咲〜。これ教えちゃダメなんだよ?」
後ろの席からクラスメイトが話しかけていた。
そして、金田くんは驚いた顔をした。
みんなが立ったあと、順番にそれぞれ思い浮かべた漢字を言っていく。
減、沙、消、流…とどんどんいって言った。
そして私の番が来るまで源という漢字は出なかった。
私が言い終わると座ったのは…
「お、桃乃さん一緒の漢字?!」
金田くん。ただ1人だった。
まさか金田くんと思い浮かべた漢字が被るなんて…
一時間目の授業が終わり、私は後ろに置いてある花をもって教室を出た。
廊下を歩いていると、私の視界に入る人がみんな私のことを気持ち悪いと言っていた。
私は下を向きながら何も考えずに歩いた。
教室は色が明るいのに教室を出ると全て電気を消したみたいに暗くなる。
花に水やりをしてから急いで教室に戻った。
一呼吸して、私は勉強をしようと教科書を開いた。
「桃乃さん、勉強してるの?偉いね」
隣を見ると金田くん…じゃなくて黒くんがいた。
「あ、…えっと…」
「おーいー、とは〜。俺の席とるなー」
その後に教室のドアから金田くんが入ってきた。
黒くんは金田くんが来たあと席を離れた。
横を見ると金田くんがなんか食べていた…
「咲、それなに?」
「あ〜これ?飴〜いる?」
そしてひとつ飴を黒くんに渡した。
「桃乃さんもいる?」
そして私の目の前にひとつ飴が置かれた。
私はそれを食べるではなく、ポケットに入れた。
「てか、咲が飴とか珍し〜」
「そうか?別に普通じゃね?」
飴食べるの珍しいんだ。
放課後私は今日も人一倍早く教室を出た。
廊下を歩いているとやっぱりみんなの視線が痛い。
「あいつガチキモイよな」
「不気味」
そんな声がちらほら聞こえてきて下を向く。
大丈夫。大丈夫。そう言い聞かせながら早足で学校を出た。
前を見るとやっぱり世界は薄暗い。
教室にいる時は明るかったのに…
「私夜彼氏とご飯食べてくるから」
家に帰ると色葉と鉢合わせてしまった。
色葉はそれだけゆうと階段を登り自分の部屋へと入っていった。
私はため息を吐いてから自室に戻った。
教科書を開いて勉強を始める。
なんだかいつもより集中出来なかった。
「花〜ご飯よー」
お母さんが自室に入ってきた。
「あら、寝てたのね」
私はいつの間にか寝てしまっていた。
「花、起きなさい、ご飯よ」
そして私の体は揺らされ、起こされた。
「ん…お母さん?」
「あら、やっと起きた。ご飯よ早く降りてきなさい」
お母さんはそのままリビングに行ってしまった。
私は背伸びをして、そのままリビングに向かった。
今日は色葉が彼氏とご飯だからお母さんと二人きりだ。
「花、こんどみんなでどっか出かけましょうか」
「…うん」
「どこか出かけたいところはない?」
「…ない」
「そっか。わかった」
私は食べ終わったお皿を洗った。
「…先お風呂入ってくるね」
私はバスタオルと、着替えを取りに一度自室に戻った。
…温かい。
お風呂の温かい温度が全身にぶわぁーっと伝わってきてとてもホカホカする。
お風呂から上がり髪の毛を乾かした。
「ただいま」
後ろから色葉が手を洗いに入ってきた。
色葉の顔がいつもより緩んでいた。
きっと彼氏となんかあったんだろう。
髪の毛を乾かし終わり、私は自室に戻った。
窓を開け、星を見あげた。
夜の風が寒い…。だけど、すごく気持ちいい。
「♪」
あ、まただ。また歌声とギターの音。
一体誰が弾いているんだろう。
数分聞いたあと私は扉を閉めて眠りについた。
朝起き、時計を見ると朝の十時だった。
どうやら結構寝てしまっていたらしい。
「花、おはよう」
そして、朝ごはんが出された。
目玉焼きに、サラダ、ご飯。
いつもと変わらない朝ごはんだった。
「はぁー。おはよう」
あくびをして起きてきた色葉。
なんだか寝癖が酷い。
「色葉、ちょっと鏡みてきたら?寝癖酷いわよ?」
「へ?!今日彼氏と会うのにそれはまずい!!」
色葉は今の言葉で目が覚めたのか、急いで洗面所に向かっていた。
私は黙々とご飯を食べすすめた。
「ただいま〜」
ドアの方を見てみるとまさかのお父さんがいた。
「あら、今日は休みなのね」
「あぁ。」
そしてお父さんは、椅子に座りコーヒーを飲んだ。
「おぉ、花。元気してたか?最近仕事が忙しくてなかなか顔合わせられなくてごめんな」
別に大丈夫だけど…
「あ!お父さん!」
洗面所から帰ってきた色葉がお父さんに抱きついた。
「おぉー、色葉、元気してたか?色葉はいつまで経っても甘えん坊だな〜」
えへへっと色葉が照れた。
私は食べ終わり、お皿を持って洗いに行った。
私は自室に戻り、一日中勉強をした。
「花、ご飯だぞー。」
今日は珍しく、お父さんがいるからお父さんが私を呼びに来た。
私は立ち上がってお父さんの横を通り過ぎ、リビングに向かった。
「ねぇー、お母さん聞いてー!」
「今日ね、彼氏とあったらキスされちゃったの…」
あぁー、めっちゃ悪いタイミングできてしまった。最悪だ。
「えぇー!良かったじゃなぁーい」
はぁー。私は椅子に座りご飯を口に運んだ。
色葉は浮かれているのかとてもニコニコしていた。
いや、正確に言えばニヤニヤだ。
食べ終わったお皿を洗っていたら色葉が来た。
「花〜。これよろしく」
私にだけ聞こえるようにそう言ってリビングを出ていった。
私は小さく呼吸を吐いて、色葉の分まで洗い物をした。
お父さんとお母さんの方を見てみると、なんだか楽しそうに話していた。
お母さんの顔が幸せそうな顔をして私まで少し嬉しくなる。
色葉の分も洗い終わったあと寝る準備をしてから眠りについた。
勉強した疲れもあってか、すぐ寝れた。
「花〜。おはよう」
「…おはよう」
昨日、お父さんが帰ってきて余程嬉しかったのかお母さんの機嫌はいつもに増してとても良かった。
「私今日カフェで勉強してくる」
朝ごはんを食べながらお母さんに聞こえる声でそう言った。
「そなの?行ってらっしゃい。」
「花が休みの日に外出るとか久しぶりだわね」
お母さんは嬉しそうに微笑んだ。
「色葉は彼氏と海に出かけたわよ」
聞いてもないこと言われて気分が悪くなった。
色葉の事情とか、別に知りたくないし。
「…そなんだ」
そして私は、準備をしに自室に戻った。
カバンに、教科書、ノート、筆箱、お金、スマホを入れて、家を出た。
散歩していると鳥の鳴き声や、太陽の温かさが伝わってきてとても気持ちいい。
そして着いたカフェ…「豆」だ。
カランコロン。
「いらっしゃい〜!空いてる席どーぞ」
一礼して、空いてる席に座った。
お昼になり、休憩がてらにオムライスを頼んだ。
んー、美味しい。
オムライスを食べているとカランコロンとドアの音が鳴った。
そちらに目を向けると、黒くんと金田くんがいた。
驚いて、姿がバレないように下を向いた。
なのに、二人は私の姿を見つけてしまった。
「桃乃さん!!」
ニコニコで駆け寄ってくる金田くん。
「桃乃さんもお昼食べに来たの?」
その後ろから黒くんが現れた
そして黒くんは私の手元に目線を落とした。
「え?勉強?偉いね」
そして二人は私の前の席に座った。
私は下を向いて目を合わせないように気をつけて黙々とオムライスを食べ進めた。
「…お前気持ち悪い」
黒くんが金田くんの頭を叩いた。
「いって…何すんだよ〜」
私は顔をあげることなく食べ進めた。
そして食べ終わってから席を立ち、お皿を返しに行った。
戻ってきてからまた勉強を始めた。
前から視線が伝わる。
前を向くと金田くんと目が合った。
私はびっくりしてすぐ下を向いた。
「え?!なんで下向くの?ねぇ…桃乃さん」
顔が近づいてくるのがわかる。
「おい、咲。」
黒くんが金田くんの服を引っ張って椅子に引き戻す。
金田くんは拗ねた。
「…ごめんなさい」
そう小さい声で言った。
「「え?」」
二人が同時にこちらを向いた。
すいません。すいません。
声小さくてごめんなさい。下向いてすいません。
握る手に力が入った。
「桃乃さん」
隣で優しい声が…誰?
顔を上げて隣を見ると黒くんがいた。
「気にすることないよ。咲はああ言うやつだからさっ。ちょっと人との距離が近いんだよ笑
でもちょっとキモイよねー」
「うんうんってえ?」
「おいとは!キモイって何?酷くない?ねぇ。桃乃さん」
金田くんがこちらを見た。
「え?桃乃さん笑ってる?え?」
肩が震えている。笑いを堪えているのだ。
金田くんがグイッと顔をちかづけてきた。
私はその瞬間椅子をすっとひく。
「おい。咲そうゆうとこだぞ。」
金田くんはチェっと言って普通に座った。
椅子を元に戻して勉強をする。
そして昼の三時。私は荷物をまとめた。
カバンを肩にかけて二人を見ようと思ったが見れなかったから下を向いたまま。
「あ、あの。私はこれで」
頭を下げて急いで豆から出る。
ドアを開けて中に入る。
そして自室に。
ベッドに横になって天井を見つめる。
はぁー。疲れた。てかなんであんなタイミングで金田くんと黒くんと会うんだろ。
タイミング悪すぎ。
はぁー。
「__て!」
なんだろ。遠くから色葉の声が…
バッと起き上がった。隣を見ると色葉がいた。
え?なに?
「いつまで寝てんの。ご飯だから」
バン!
ドアが勢いよく閉められた。完全に怒ってる…
リビングに行ってご飯を食べる。
色葉からすごく怒りのオーラが出ている
「ねぇー。二人とも。」
お母さんがこっちを見るだけど私は黙々と食べる。
「なに?」
色葉が言った。
「来週の土曜旅行行きましょっか」
「パパまた帰ってくるみたいだし?」
色葉の顔色が変わった。
「え?パパ帰ってきて旅行?!最高なんだけど!」
「どこ行くの?」
「色葉行きたいとこないー?」
「んー。清水寺行きたい!」
「花はそれでいい?」
こくんと頷いた。
それから食べ終わってお皿を洗った。
「これ、よろしく」
私にだけ聴こえるように色葉がお皿を持ってきておいた。
仕方なく色葉の分も洗ってあげた。
色葉が上がってきていたから私はお風呂に入った。
…疲れた。
金田くんと黒くんには会うし、なんか勉強見られるしで大変だったな…それに来週の土曜旅行だ
し…ほんと疲れたし疲れそう。
髪の毛を洗って自室に戻る。
背伸びをして窓を開けた。
「♪」
…まただ。
目を瞑って音楽を聴く。ほんと綺麗な声。
数分経ってから窓を閉めて寝た。
そして来週の土曜。出かける日だ。朝の4時からおきてみんな準備を始める。
体を起こすとドアの向こうでバタバタ音が聞こえる。
ドアを開けると色葉がいた。
「何してんの?早く準備しなよ」
そして色葉は去っていった。
私は洗面所に立って顔を洗った。歯磨きもして、自室に戻った。
キャリーケースは昨日詰めたから、チャックを閉めて、クローゼットから黒のズボン
に白のTシャツを出して着替えた。
鏡を見る…地味。これでいい。オシャレをしたってなんの得にもならない。
それからカバンを持ってキャリーケースを持って玄関に向かった。
まだバタバタしている。
後ろを振り返ると色葉が階段から降りてきてきた。
「え?地味だね。」
色葉が私の服装を見て苦笑いした。
それでいい。オシャレしても意味無い。
色葉は…すごくオシャレ。
そして玄関にみんな集まった。
「それなら行きましょっか。」
車に乗って走り出す。運転はお父さん。
「大丈夫か?眠かったら寝てもいーぞ」
「私は大丈夫!!」
色葉が元気よく言う。
私は返事をしない。黙って景色を見ている。
薄暗い。こうゆう景色が私は好きだ。
明るくもなく暗くもないちょうどいい明るさ。
そして空港に着いた。キャリーケースを持って空港に入る。
色々終わってから飛行機に乗った。
「すごいよ!綺麗ー」
まだ飛んでないのに色葉がうきうきわくわくしていた。
飛んでから景色が見える。
「わー。すごく綺麗」
色葉の笑顔。
私は目を瞑って眠った。
「__よ。は__わ__よ」
身体が揺れている…
目を開けると飛行機は止まっていてみんな降りて行っている。着いたのかな。身体を起こした。
「早く行って。待ってるんだけど」
隣を見ると色葉が怒った表情をしてる。
私は立ち上がってキャリーケースを持って出る。
スマホを見ると朝の7時だった。
時間を確認してからまたスマホをポケットにしまった。
ホテルに荷物を置いてから清水寺に向かった。
清水寺に着くと屋台がいっぱいでそれに浴衣を着た人もいる。
「わー。これ食べたい!」
早速色葉がいちご飴屋を指さした。
テンションが上がっているのがわかる。
お父さんは色葉の元に行っていちご飴をひとつ買っていた。
色葉はそれを食べながら戻ってくる。
「美味し」
私に見せびらかしているみたいだ。
ウザイとも何も感じない。
それから屋台を回ってからいよいよ上に上がって清水寺に入る。
「わー!高い。」
「綺麗だはね」
お母さんと色葉は完全にはしゃいでいる。
お父さんはゆっくり二人に近づいて後ろから景色を見ている。
私は普通に静かに景色を見ている。
「ままー!あれやろ!」
音羽の滝の三つの水を指している。
「いーわよ」
二人は水煮向かって歩いていった。
お父さんは私の元に来て
「花。楽しいか?」
全然。いつも通りってかんじ。
「うん」
そう素っ気なく返して歩き出す。
お父さんも後ろから着いてきた。
「色葉は家でどうだ?元気にしてるか?」
「うん」
「花はなんか困っていることはないか?」
「ない」
お父さんはずっと質問してくる。
なんか。もう良くない?
そして色葉とお母さんが居る音羽の滝に着いた。
私はふたりがやっているのを見ている。
「色葉も母さんも花も元気で、楽しそうでよかった。」
私別に楽しくないけどね。まぁみんなが楽しそうにしてるならそれでいいか。
「あ、お父さん!私恋の水飲んできた!」
笑顔でお父さんに向かって言っている。
お父さんはそうか、良かったなと色葉の頭を撫でている。
お母さんも後ろから合流した。
そして三人が歩き出してから私も歩き出す。
ホテルに着いた。
「わー!疲れた!」
ボスッと色葉がベットに向かって飛ぶ。
私はベットに揃っと座った。
「さ、温泉行きましょっか」
「いくー!ってお父さんは?」
「先に言ったわよ?」
「はやっ!」
色葉は立ち上がってお風呂の準備を始める。
私はもう終わって待っている。
温泉に入った。温泉はそこまで広くはなかった。
「ぷはぁー。暖かい」
身体を休めるためにぶくぶくなどのマッサージが置いてある。
お母さんは、背中をマッサージするところで座っている。
私は端っこに、色葉はバシャバシャとはしゃいでいる。
温泉方からあがって浴衣に着替えた。
部屋に戻ってきてベットに座る。
「明日、チェックアウト十時だから。出る準備してから寝なさいね」
私はキャリーケースの前で着替えやらを片付けている。
「ねぇー花。」
耳元で声が聞こえて手が止まる。
「私の荷物も片付けといて。よろしく」
と小声で言ってから色葉はベットに横になった。
あーあ。面倒くさ。
自分の荷物を片付け終わってから色葉のも片付け始めた。
すごく荷物が多くて片付けるのに時間がかかるし面倒。
次の日。
バタバタ。
物音で起きて目を擦る。時計を見ると朝の六時。
「何ダラダラ寝てんの?早く準備しなよ」
起きて顔を洗いに行く。
着替えて準備完了。
「え?ダサっ。」
それだけ言うとまた色葉は準備を始める。
私は色葉みたいにオシャレやメイクなどしないのでどうでもいい。
そしてチェックアウトしてからホテルを出た。
「さ、空港行くか。」
歩いて近い場所なので歩いて向かう。
「ねぇー。荷物重ーい」
キャリーケースを引きながら色葉がそんなことを言う。
荷物片付けている時に思ったけど色葉は荷物が多いんだよきっと。
「私は無理だはよ?自分ので精一杯よ」
「俺も色々しなきゃいけないから無理だ。ごめんな色葉」
チッと後ろから舌打ちが聞こえた気がした。
「ねぇー花。これ、運んで?」
「…これで精一杯」
「いいから持てよ」
仕方なくもつ。すごく重い。色葉はお母さんとお父さんの元に走って行った。
空港に着いてからお土産を見る。
別に渡す人なんていないけど。
「私これ!」
色葉が手にいっぱいのお土産を持っている。お父さんはそれをカゴに入れた。
「誰に渡すんだ?」
「んーと、友達と彼氏!」
笑顔でそうゆう色葉。ウザイとも何も感じない。
私はお土産をひとつ持って自分で買いに行った。
終わってから飛行機に乗る。また色葉は窓側。すごく足をバタバタさせて目がキラキラしている。
出発した。耳が変な感じ。
外の景色は最高だと知っているが私は見ない。私はそのまま目を瞑った。
目を開けると着陸のアナウンスが流れていた。
私は荷物をまとめて降りる準備をする。
降りて車に乗った。
「どうだった?楽しかったか?」
「めっちゃ楽しかったよ!!また行きたい!」
「だな。」
運転中。色葉とお父さんが話をしてる。
私は別に楽しくなかったから何も答えない。
外の景色をぼーっと眺めた。
家に着くと時刻は昼の三時だった。
「たっだいまぁー!」
色葉はそのままドスッとソファーに座った。
私はキャリーケースを部屋に運んで荷物を片付け始める。
って言っても私は服と下着しか持って行ってなかったからそれを洗濯物に詰め込むだけだ。
入れてから部屋に戻ってキャリーケースをクローゼットの奥にしまった。
「おーい。花。なんか軽く食べいかないか?」
お父さんがドアを開けて言う。
「…ん」
これが私の了解の言い方だ。
「なら車出すから乗って。」
カバンを持って車に乗り込む。
走り出した。私はまた外を眺める。
「何食いたい?」
「ん〜、お寿司?」
「いーな。お寿司にするか」
お寿司屋に着いて席に着く。
色葉はワクワクした状態で注文をする。
私はあまりお腹空いていないから軽く三つ注文した。
届いてそれを食べる。
「んまぁー!」
色葉もご飯が届いて食べていた。
食べ終わってから家に戻った。
「私、外散歩してくるね」
それだけ言って家を出る。
公園について椅子に座る。
ふぅー。疲れた…。旅行とかほんと疲れる。
「あれ?桃乃さん?」
顔を上げると金田くんがいた。キョロキョロ見るけど黒くんはいなかった。
「あ、とは?とはは、今家だよ。俺一人」
ニヒッと金田くんは笑顔でこっちを見てくる。
「てかめっちゃ疲れた顔してない?!大丈夫?」
顔を覗き込まれてびっくりする。
「…べ、別に」
少し顔を逸らす。
「ふーん。なんか怪しいなー。」
金田くんは前を向いた。
「あ、てかこれあげる。」
貰ったのはチョコだった。
袋を開けて口に入れる。
「…甘い」
金田くんは笑いだした。
「いや笑…当たり前でしょ。チョコなんだから笑」
当たり前…か。
夕方八時、外はもう真っ暗だ。
「よし。そろそろ帰るか」
金田くんが立ち上がった。
てか…どうしよ。私くらいの苦手だし…帰れそうにないな…
「早く行くよ」
金田くんが振り返ってこっちを見ている。
「…え?」
「送ってやる。」
固まった。
「いーから早く行くよ」
金田くんが私の手首を取って歩き出す。
私は完全に混乱した。何が起きている?
少し歩いたところで金田くんは手を離した。
「ごめん。」
え?なにが?
「手首痛くなかった?」
金田くんがこちらを向く。私は首を横に振った。
金田くんが微笑んだ。
「良かった。」
そしてまた歩き出す。
家に着いて。
「なら桃乃さん。またね!」
去っていく背中を見た。少し距離が空いてから金田くんの元まで走っていって服を引っ張る。
「…どしたの?桃乃さん」
金田くんが振り返る。私は下を向いたまま
「…少し待ってて」
そして手を離して家に向かって走る。家に入ってから袋を持ってまた金田くんの元に行く。
袋を差し出した。
「これ…あげる」
「え?!いーのか?」
頷いた。
金田くんはぱぁーっと顔が明るくなり私の手から袋を取る。
「わ、美味しそう!」
金田くんが中を覗き込んだ。
「帰ってから食べる!」
「桃乃さんありがと」
笑顔でこちらを見た。
「い、いや…当然のことをしたまでです。」
一礼して家の中まで走って行った。
私が去ったあと金田くんはスキップをしながら帰ったということは誰も知らない。
次の日の朝
あくびをして体を起こした。
時計を見るともう六時。急いで着替えて朝ごはんを食べる。
「ねぇ〜ままー」
「なーに?」
「今日彼氏と放課後デート行くんだけどお金ないからちょーだい」
「はいよ。」
お母さんは色葉に三千円を渡していた。
私は食べ終わってからカバンを持って家を出た。
通学路はいつもと変わらない。手にはお花を持っている。
校門近くになるとやっぱり気持ち悪いとかが耳に届く。私は下を向いたまま教室に行く。
席について読書を始めた。
「あ!桃乃さん!おはよー!」
明らかにテンションが高い金田くんが現れた。
「お菓子ちょー美味しかった!」
笑顔でこちらを見てくる
「…良かったです」
それだけ言ってまた読書をする。
「あー。なんだ朝からテンション高かったのはこのせいか」
黒くんが後ろから腕を組みながらくる。
「いーだろー?」
金田くんは黒くんに向かって笑顔を見せた。
「おーい!お前ら〜席つけー」
先生が教室のドアを開けながら入ってくる。
「さて、ホームルームは以上!解散!」
ガクッとまた落ちてしまいそうな超簡単なホームルームだった。
「やませーん!毎回思うんだけどホームルーム言うことないのに集める必要ないっしょ?」
「まぁなー。雰囲気だけ雰囲気だけ」
そして先生は笑った。
一時間目は理科で移動教室なので荷物を持って理科室に向かう。
もちろん花は忘れてない。
席は自由席だったので窓側の一番後ろに座った。
「桃乃さーん!この座っていい〜?」
私は頷く。
「俺もい?」
黒くんが聞いてきたのでまた頷く。
この三人の話に入れないのかなんだか知らないけどチャイムがなるまでここの席に座る人はいなかった
先生が入ってきた。
「授業始めるよ〜」
みんなが一斉に席について授業が始まる。
理科室に集められたのは実験のため。
なので実験の説明を先生に聞いてから準備を始める。
今日の実験は危ないっということが分かった。
実験の準備を始める
「咲は大人しくしてろよな?」
「は?なんで?!」
「俺も実験やりたぁーい!」
「お前がなんかやったら危ないだろ」
準備をひとりでしながらふたりの会話を聞く
そして思いのを持つ時黒くんがきて持ってくれた。
「ありがと…」
「全然!当然のことをしただけ」
ってゆって重いものしか運んでないくせに。まぁ。重いものは持てないから助かるけど。
そして実験の準備が整いいよいよ始まる。
周りを見ると保護メガネで遊んでる人が多数いた。特に女子。
先生はと言うと一人寂しく実験していた。
金田くんはじーっと私たちが実験してるのを見てる。
保護メガネが面白くてなんだか笑ってしまいそうになった
「え?笑桃乃さん?なんか笑ってる?」
私は首を振る。
「咲の保護メガネが面白いんじゃねーの?笑」
読まれてた。
「はぁー?意味わかんねー。これがふつーだよふつー」
「そのふつーが面白いんじゃねーの?笑」
金田くんが怒って黒くんの背中を叩いた
「いって。咲。覚えとけよ?」
黒くんがニヤッと笑った。

