死なないで

次の日は、近くの水族館に行くことにした。

「オットセイいるかな?」

チケットを買う列に並びながらそう言った。

あのなんとも言えないフォルムがすごく好きなのだ。

「いるみたいだよ」

要がパンフレットのオットセイコーナーを指しながら言った。

「やった。一番に見に行こ」

「そうだね」

チケットを買い、入場して直ぐにオットセイのところへ向かった。

この水族館にはオットセイが2頭いるようだった。

2頭は離れては、くっついて、仲良く水槽の中を泳いでいた。

「可愛いね」

「うん。可愛い」

それから、名前も知らない魚を沢山見た。

「この魚、変な顔で可愛い」

私は笑いながら、目の前の水槽にいた魚を指さした。

「ほんとだ」

要が笑った。

魚を見たあと要は説明書きを見ていた。

隣にいた家族連れも、魚を見て笑っていた。

「なんて名前?」

私は真剣に説明を読んでいた要に聞いた。

「ハコフグだって」

「フグなんだ!」

私は、水槽のほうに人差し指を近づけた。

「すごいね。お前は」

そこにいるだけで、みんなを笑顔にできるなんて。

そんなことできる人間なんてそうそういない。

人間が特別優れているように言う人は沢山いるけど、きっと劣っている面も沢山あるのだろうな。

「何がすごいの?」

要が私と同じようにハコフグを指さしながら言った。

「特に意味は無いよ。人間もまだまだだなって思っだけだよー」

私は次の日水槽へ向かった。

要は私の後ろを着いてきた。