死なないで

宿に着くと、部屋に夕食が用意されていた。

美味しそうな料理が机の上に沢山並んでいた。

「夜ご飯、頼んでたの?」

「頼んでたよ!」

2人で机を囲んだ。

「美味しいね!」

「うん。美味しい」

前は、ずっと要の話が聞きたかった。

でも、今は少しだけ聞きたくない。

知りたくないと思ってしまう自分が少しいる。

それでも聞かなくてはいけない。

話を聞いて前に進まなくてはいけない。

ご飯が終わって、お風呂に入って、布団の準備をしてもらった。

窓辺にある椅子に腰かけて、海を見つめた。

どこまでも続いていて、夜の闇に包まれて真っ黒に見えた。

「なんか、冷たそうだね」

「もう冬だもんね。きっと冷たいよ」

冷たい風が2人を包んだ。

「寒いね。」

「そうだね。窓閉めよ」

「うん、そうしよう!」

要が窓を閉めて、カーテンも閉めた。

「もう寝る?」

要が言った。

「うん、寝よっか」