死なないで

目を開けると朝になっていた。

起き上がり、ぼんやりと家の中を眺めた。

そこは要と暮らした家ではなかった。

それでも、知らない家ではない。

私が大学生の時、要と暮らす前に1人で住んでいた家だった。

夢を見ているのだと思い、飛び起きた。

何度目をこすっても目の前の光景は変わらなかった。

ピロン。

スマホがなった。

メールが1件届きましたと通知が来ていた。
 
今は西暦何年何月何日?焦ってスマホで検索をかけた。2018年5月5日。そう表示された。

「嘘……」
 
私がいたのは2026年のはずだった。

今は、あの時から8年前。

あまりの衝撃に頭が混乱した。

ベランダへの窓を開けた。

暖かい風にふわりと全身を包まれた。

外を眺めてみる。

見覚えのある背の高い建物がなかった。

確か、あれは2019年に完成したはずだった。

すごく背が高くて、どこからでも見えたのだ。

スマホの故障ではない。

本当にここは2018年のようだった。