死なないで

仕事の休みを取って、1週間泊まれる準備が出来た頃には冬になっていた。

前と同じ宿を取り、同じように電車に乗って海を目指した。

「海ー!」

電車を降り、荷物を置いて直ぐに海へ向かった。

「要!話は最終日にでも聞こうかな。今はとりあえず旅を楽しもうよ」

要と並んで砂浜に腰を下ろした。

「あそこさ、大きな家があるね」

私は、ずっと向こうの高い崖の上にある家を指さした。

「ほんとだ」

「将来はあんな家に住みたいね!」

私は要に笑いかけた。

「うん、そうだね。」

要も笑った。

「大きな家に住んで、ずっと一緒に暮らしたいな」

「きっと、暮らそう」

「うん!でも、あの崖の上からはどんな風に海が見えてるのかな」

「さぁ。時間は沢山あるんだし、見に行こうか」

「ううん。大丈夫。もっとほかにしたいことあるし」

私はそう言い、おしりの砂を払って立ち上がった。

要が笑い声をあげた。

「気になるんじゃないの」

笑って、要の手を引いて立ち上がらせた。

「ほら、立って立って!宿まで競走しよう!」

私は、勢いよく走り出した。

「ちょっと、紗夜!待ってよ」

要が勢いよく追いかけてきた。

すぐに追いつかれて、後ろから抱きつかれた。

あはは、2人で笑いあった。