死なないで

そっと要の顔に触れた。

「要。夏祭りの時に行った海あるでしょ」

要が私の顔を見つめた。

「あそこの海まだ行ってなかったよね」

「うん」

私は立ち上がった。

要が心配そうに支えようとしてくれた。

私は、その手をそっと振り払った。
「あそこに行こう。1週間くらい休み、取ってさ。あそこの海に行こうよ、聞かせてくれる?」

「うん。必ず」

このまま話を聞いたって要はきっと自殺する。

海汰くんが死刑になるのを止めなくてはならない。

だから、海汰くんに会わなければ。

あの海で話を聞いたらまた海汰くんを探そうと言おう。

要は押しに弱いから、きっとどうにかなる。