死なないで

私は要の服を握りしめた。

大声で泣きながら名前を呼んだ。

のどが痛かった。

要の前でこんなに大声を出したのはこれが最初で最後だった。
要の胸に顔を埋めて大声で泣き続けた。

ピクリとも動かない要を必死に揺さぶった。

何度も何度も口付けをした。

要はいつものように照れた顔をしなかった。
サイレンの音が遠くから聞こえてきた。

私の叫び声にも似た泣き声を聞いたお隣さんが警察に通報したらしい。

インターフォンの音が何度が聞こえた後、警察が2人は家の中へ入ってきた。

救急車を警察が呼び、要は病院へ運ばれて行った。

「何があったのですか?」
 
そう警察の人に聞かれたがなにも答える気にならなかった。こっちが知りたい。

遺書があったことで事件性は全くなしとされ、それ以上何も聞かれることはなかった。