死なないで

2026年5月5日

その日はよく晴れていた。

「紗夜(さよ)。起きないと遅刻するよ」
 
いつものように起こされ、私は渋々布団から出た。大きく伸びをする。

「おはよう、要(かなめ)!」

「おはよう」
 
歯磨きをして、いつも通り要の頬に口を押し付けた。要が照れた顔をする。

「いい加減慣れなよ。一緒に住み始めて6年間、毎日してるんだからさぁ」
 
口ではこういうがいつまでも照れてくれるのがすごく嬉しい。

「照れるよ。好きな人からキスされてるんだよ」
 
可愛い。私の死因はきっとキュン死になるはずだ。

「私もだーいすき。愛してる」
 
要の体に腕を回し、また頬にキスをした。

今度は要もキスをしてくれた。

抱きしめあって、キスをして、大好きだと言い合う時、要はたまに悲しそうに笑う。

その理由を未だに聞けないでいる。