死なないで

ベッドに倒れ込むと、微かに紗夜の匂いがした。

「紗夜。紗夜に会いたいよ。」

紗夜の笑った顔も、泣いてる顔も、悪巧みをしてる顔も、僕の名前を呼ぶ優しい声も、全部全部大好きだよ。

涙で視界が歪んだ。

枕に、顔を押し当てた。目の前が真っ暗になった。

枕をぎゅっと握りしめると、枕の下に何かがあるのに気がついた。

そっと取り出してみると、手紙のようだった。

要へ、そう書かれていた。

僕は、急いで座り直し、手紙を開けた。

『要へ
なんか、書いておいた方がいいと思ったので書くことにしました。もしこれを読んでるのが私なら早く捨ててね。要なら、是非最後まで読んでね。さて、要は1週間の旅でどんな話をしてくれたのかな?まぁどんな話をしても私は要を嫌いになんてならないから安心してね。私はずっと要が大好きです。私はね、要を失うことが何よりも怖い。自分が死ぬことよりもずっと怖い。私って結構わがままだから、要には私より長生きして欲しいな。私を置いて死なないで欲しい。でも死ぬのなんてずっと向こうの話だよね。というかそうじゃないと困るよ。私たちがおばあちゃんになったらどうなってるのかな?まず、二人が一緒にいるのは当たり前だよ!あとはそうだな。なってみないと分からないね。これから沢山思い出作ろうね!
最後に!要、どうか長生きしてね。要が命を終えるときには私は死んでるはずだから私が迎えに行くね。でも、要がおじいちゃんじゃないと迎えには行かないから!でも要にはずっと生きてて欲しいな。だって私の最大の願いはこれだから。要、死なないで!』

手紙が、涙で濡れた。ずっとずっと泣いた。