白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

「っ、だめっ⋯⋯」


浜辺の弱々しい声が聞こえるけど、いまは無視させてもらう。


後先考えずにとっさに出ちゃったけど⋯⋯やっぱり怖い。迫力がやっぱりすごい。けど、絶対視線を外すなんて、私が許さないから。


手を振り上げた男は顔を真っ赤にしてる。あ、怒ってる⋯⋯当然、か⋯⋯。そして、また男が拳を振り上げる。言うまでもなく、私に向かって。


思わず、怖くて目をつむった。やばい、身体が言うこと聞かない。⋯⋯くる。


でも、ここで怯んじゃだめだっ、頑張るんだ⋯⋯。


私はそう、決意した。隙をついて、浜辺の左手を取って、無理やり立ち上がらせ、脱出する。


「走って‼」


「え」


「いいから走って‼‼」


「え、あ、はい……はい?」


うなずきながらも納得いかないような声。でも、ついてきてくれた。それだけでいい‼


後ろからドタバタ追いかけてくる音がする。