白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

う〜帰りたくないけど帰りたい。だってまだ七時半だもん⋯⋯。


そう迷いながらも、カバンを手に教室を出て、階段をゆっくり下りる。その時だった。


「お前、マジうざい」


⋯⋯は?


一瞬、私に言われてるのかと思ったけど、違った。


空耳かな、とほっと胸をなでおろすのとほぼおなじくらいだった。


「いい加減にしろよ! お前、邪魔なんだよ‼」

「そうだよ。ウザい。マジで」


「⋯⋯すみません」


そんな心ない言葉と共にバンッ‼と壁をどつく音が聞こえる。


蔑むような笑い声、度々聞こえる男の子との弱々しい震えた息、耳を塞ぎたくなるような人に拳を何回も振る音⋯⋯。


あ、これ、ヤバいヤツだ、そう感知して現場を探して走る。走っている合間に廊下は走っちゃだめ‼ってポスターがよぎったけど、いまはどうでもいい。



――あっ。みつけ⋯⋯。



思わず、息を呑んだ。