まっすぐで、輝け。

STEP8
あれから、ゆうやくんと付き合うことになって,試合も見に行った。

でも、どう話していいか分からなくなって、近くに行けなかった。
恥ずかしくて、いっぱいいっぱいになって、逃げてしまう。


戸惑う私を見て、ゆうやくんも気まずそうな顔をしてて…。


話したいのに。

好きなのに。


すごく好きだから、わかんなくなってる。



これなら、付き合う前の方が、かかわってたよね。

いや、球技大会があったからで、何もなかったら接点なんてなかったんだよ!…あー…。

モヤモヤして仕方がないや。



キーンコーンカーンコーン


そんなこと考えてたら、授業が終わってしまった。ああ、何やってんだ私!授業に集中しないと!




すると,サッカー部の子が教壇に登る。



「みんなーー注目!!!みんなのおかげで球技大会、サッカー優勝できたんで,今日の放課後,教室でお祝いしよーーー!!」



にっこにこで叫んだ。


「やろーー!」
「いいよー」
「先生には許可取ってるのー??」
クラスの子たちが湧き立つ。


サッカー部の子は
「もちろん!先生公認でーす!」




クラスが一気に明るくなった。



すごいな。
あ、ゆうやくんは…どんな顔してるのかな。



ゆうやくんはどこだろう…


あ、いた……





ばちっ。



あ。


目が合う。




一気に心拍数が上がる。体温も上がる。


ゆうやくんに引き込まれる。目が離せない。

いや、目を離したくない…。まだ、見ていたい。見ていてほしい…。



ゆうやくんも目を逸らさない。
いや,私がじっと見てるから、見てるだけだろうな。



ああ、この視線から、私の思いが伝わればいいのにな。


すると、私とゆうやくんの間にクラスメイトが入る。


ゆうやくんの姿が見えなくなる。


「ゆうやー、何ボケーっとしてんのー?」

そう聞かれたゆうやくんは
「……球技大会楽しかったなーって思い返してた…」
と普通に答える。



「はは、本当だよなー」



たわいのない会話をしはじめた。

羨ましいな。私も話したいな。


はぁーーー…勇気を出さなきゃなぁ…





そんなこんなで、放課後になった。

みんなで、教室に残って、お祝い。
楽しいはずなのに、モヤモヤが消えない。むしろ増えてる。



私…こんな消極的になっちゃうんだ。
自分でも自分が悔しいよ…


すると、
「あ、黒澤さん!こっちおいでよーー!!」
とサッカー部の子から声がかかる。


「うん、!」


サッカー部の子のもとへ行くとそこにはーー



どきん。



もちろん、ゆうやくんがいるわけで。


ああ。どうしよう。
でもーーーーー



目は正直だ。
見つめてしまうーーー


話したい。話したい。
なんでもいいから、話したい…!!




もうモヤモヤが溜まりすぎて辛すぎるもん…!



「ゆうやくん、何のお菓子食べる??!」

私は大声で叫んだ。

びっくりした顔をしてるゆうやくん。

サッカー部の子もきょとんとしている。


あ。



やらかした。





やっちゃったやっちゃった、
やらかしたよぉーーーーー、穴に入りたいいいい…




泣きそうな顔を隠したくてうつむく。



すると、




「……んー、チョコかな。」


え。
ゆ、ゆ、ゆうやくんが返答してくれた…?



顔を上げると、ゆうやくんと目が合う。



「そ、そっか…!なら、チョコいっぱい取ってくるね」

うれしい、久しぶりに会話できた…
思わず頬がゆるむ。




ゆうやくんが好きそうなチョコ、たくさん取ってこよーっと



チョコ、たくさんある…どれが好きなのかなーーー



スッ…

「このチョコがいい」

突然耳元からゆうやくんの声が。

隣にゆうやくんがきた…!?



ち、ち、ちかい…!



ドキンドキン…




体が動けない…。


周りにクラスの子いるのに…近いよ……
「…っ!」


近くて、どうしようもなく恥ずかしいけど、この距離感のままがいい気持ちもある。


でも,顔なんて見れない…!!!



どきんどきん

でも,なんか話さなきゃ…せっかくのチャンス…


「ゆうやーー!俺らの分もよろしくー」
サッカー部の子たちが声をかける。

「おー」
普通に返事するゆうやくん。
ゆうやくんにとってはこの距離も,当たり前なのかな…

周りも普通の反応だし…



ってか、私告白勢いでしちゃった時も,近かった…。しかも,あの時キス…


ぶわっ

思わず顔が真っ赤になる。


思い出したら余計恥ずかしくなってきた。


「…あ、私、お手洗い行く…!!」

ゆうやくんの近くにいては、心がもたない!!
一旦距離をとろう!!!


「…」

黙ったままのゆうやくん。



私は、勢いで教室から出る。

足が止まる。


私は、なんで…。
好きなのに、両思いなのに。



ばかだよ…。



ゆうやくんは、こんな私を好きだろうか…。
違うよ。



逃げてばかりの私は,私自身も嫌だ。



よし。



私は、教室の扉を開ける。


そして,
ゆうやくんの元へーーー


すると,サッカー部の子たちの騒がしい声が聞こえる。
「ゆうやー、やけ食いか!??何があった!?」


「このチョコ、美味い!!」
といいながら、ゆうやはチョコを頬張る。


「どんだけ食べるんだよ笑笑」


周りは爆笑してる。



私、勇気出せ!!
行くんだ!!!




足が前へ出る。




そして、ゆうやくんの前へ立つ。




びっくりするゆうやくん。




それをよそに私もチョコを食べる。



「ん!おいしい!!もっとちょうだい!」




笑っていた周りも静かになる。
さすがにドン引きだろうな…




ガタッ


ゆうやくんが突然立ち上がる。


「なんなんだよ」
ゆうやくんの冷たい声。


私を呆れたような、悲しいような目で見てる。




あ。
私、間違えた…




何やってんだろ私…。



好きだから、上手く関われなくて、空回りしてる…

「ごめん…」




謝ることしかできない…



そのまま教室を後にする。
荷物も持って、帰ろう…。




ぱしっ。


「待って!!」

ゆうやくんに手を握られる。


「ちょっと来て。」



!???


「おいおい〜ゆうや〜」
「まさかまさか!?」

周りがざわめきだす。



でも,もうそんなの気にならないぐらい、私はゆうやくんしか見えなくなっていた。



私はゆうやくんに手を握られ,教室を出た。